保険料払込免除特約は必要?セットする場合に確認すべきポイント

2019年4月3日

保険料払込免除特約をご存知でしょうか?保険料払込免除特約は、被保険者が三大疾病等で一定の状態になった場合に生命保険や医療保険の保険料の払い込みが不要となり、保障は継続される特約です。

被保険者が大きな病気をした場合、収入が減る可能性もありますから、それ以後の保険料が不要となり、保障が継続される特約というのは一見ありがたいように思えます。

しかし、この特約はリビングニーズ特約等のように無料ではありませんし、病気をすれば必ず保険料が不要になるというわけではありません。

今回の記事を参考にして、コスト(特約保険料)とのバランスを考えたうえで、保険料払込免除特約を付加(セット)するかご検討頂ければと思います。
リビング・ニーズ特約について押さえておくべき7つのポイント

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1.保険料払込免除特約とは?

保険料払込免除特約とは、被保険者が下記の状態になった場合に以後の保険料が不要になる特約です。三大疾病身体障害要介護状態になった場合に保険料を負担することなく、保障を継続することができます。

 

保険料が払込免除になる条件

保険料払込免除特約によって保険料の払い込みが免除になる条件は下記の通りです。

  • 三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)により保険会社所定の状態に該当した場合。保険会社によっては、糖尿病、高血圧、慢性腎不全、肝硬変を含む七大疾病としている場合等もあります。
  • 保険会社所定の身体障害に該当した場合
  • 保険会社所定の要介護状態に該当した場合

保険会社によって異なりますが、ある保険会社では当該特約は下記の主契約に付加できます。

  • 終身保険
  • 定期保険
  • 収入保障保険
  • 医療保険
  • がん保険 等

また、主契約に付加されている先進医療特約等の特約保険料も払込免除の対象となります。

尚、保険料払込免除特約は契約時にのみ付帯(セット)することが可能です。保険期間の途中で同特約を付帯することはできませんので、ご注意ください。

 

 

 

2.保険料が払込免除となる所定の状態とはどのような状態か?

当特約は、所定の状態に該当すると以後の保険料が不要となりますが、その所定の状態とはどのような状態なのかを具体的に確認することが重要です。ある保険会社の例をご紹介します。

 

1)がん(悪性新生物)

がんは診断されれば必ず保険料免除になるわけではありません。悪性新生物の場合には保険料免除となりますが、上皮内新生物の場合は多くの保険会社で対象外です(上皮内新生物の場合も保険料払込免除となる保険会社もあります)。
上皮内がんと悪性新生物とで、がん保険の保障が異なる!?

また、がん保険と同様に待期期間(待ち期間)があり、責任開始日から90日以内に診断されたがん(悪性新生物)についても保険料払込免除の対象外となる保険会社もあります。
がん保険の待機期間(待ち期間)について確認しておくべきポイント

上皮内新生物・上皮内がんとは?

上皮内新生物・上皮内がんとは、がんが上皮(粘膜層)内にとどまり、基底膜を超えて浸潤(広がる)していない状態のがんのことをいいます。浸潤していないので、転移の可能性はありません。

 

2)脳卒中(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)

脳卒中を発病したら必ず保険料免除になるわけではありません。脳卒中を発病し、医師の診療を受けた日から60日以上言語障害・運動失調・麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたときという条件があります。

保険会社によっては、脳卒中の治療を目的に手術を受けた場合も保険料の払込が免除になります。

 

3)急性心筋梗塞

急性心筋梗塞も医師の診療を受けた日から60日以上労働の制限を必要とする状態(軽い家事などは除く)が継続したと医師によって診断されたときという条件で保険料が免除になります。

保険会社によっては、急性心筋梗塞の治療を目的に手術を受けた場合も保険料の払込が免除になります。

 

4)障害状態

国民年金法施行令第4条の6別表(平成13年1月6日現在)の障害等級1級に定める程度の障害の状態(下記)にあり、かつ、その状態が永続的に回復しない状態が条件です。

・両眼の視力の和が0.04以下(矯正後)のもの
・両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
・両上肢の機能に著しい障害を有するもの
・両上肢のすべての指を欠くもの
・両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
・両下肢の機能に著しい障害を有するもの
・体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がる
ことができない程度の障害を有するもの
・前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
・精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
・身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

 

5)要介護状態

次のいずれかに該当した場合で、その状態がその日を含めて180日以上継続していることが医師によって診断確定された状態が条件です。

・常時寝たきり状態で、下表の(1)に該当し、かつ、下表の(2)~(5)のうち2項目以上に該当して他人の介護を要する状態
(1)ベッド周辺の歩行が自分ではできない。
(2)衣服の着脱が自分ではできない。
(3)入浴が自分ではできない。
(4)食物の摂取が自分ではできない。
(5)大小便の排泄後の拭き取り始末が自分ではできない。
・器質性認知症と診断確定され、意識障害のない状態において見当識障害があり、かつ、他人の介護を要する状態

このような特約は、三大疾病になったら即、保険料免除となると勘違いされている方が多いですが、それぞれに条件があり、障害状態要介護状態に関してはかなり重い状態でなければ保険料免除とはなりません。

従って、保険料免除特約を検討する際には、どのような状態になれば、保険料免除になるかを確認することが重要です。

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3.保険料払込免除特約の特約保険料シミュレーション

保険料払込免除特約を付加することによってどの程度、保険料が上がるでしょうか。ここで、終身保険、定期保険、医療保険に保険料免除特約を付けた3パターンの保険料をシミュレーションしてみます。

 

・終身保険に保険料免除特約を付けた場合

契約条件
商品:終身保険
保険金額:500万円
払込期間:65歳
被保険者:40歳 男性

月払い保険料:14,356円
内特約保険料1,341円

主契約である終身保険の保険料は13,015円で、特約部分の保険料が1,341円です。当該特約を付加することにより、保険料が10%以上、上がることになります。

仮に保険料払込免除になる所定の状態に該当せず、65歳まで特約保険料を払い続けたとすると、約40万円を支払うことになります。

 

・定期保険に保険料免除特約を付けた場合

定期保険の場合、更新時に主契約の保険料だけでなく、保険料払込免除等の特約保険料も上がっていきますので、注意が必要です。

契約条件
商品:定期保険
保険期間:10年
保険金額:1000万円
被保険者:40歳 男性

月払い保険料:3,492円(40歳時)
内特約保険料402円

月払い保険料:7,218円(50歳更新時)
内特約保険料1,238円

月払い保険料:14,635円(60歳更新時)
内特約保険料1,975円

定期保険の更新についての詳細は、下記記事をご参照ください。
生命保険の更新とは?|更新型保険の注意点やデメリット
生命保険(定期保険)は「更新型」と「全期型」のどちらがお得?

 

・医療保険に保険料免除特約を付けた場合

契約条件
商品:医療保険
保険期間:終身
保険料払込期間:終身
入院給付金:5,000円
通院給付金:5,000円
手術給付金:2.5万~20万円
被保険者:40歳 男性

月払い保険料:2,865円
内特約保険料410円)

終身保険、定期保険、医療保険の全てで保険料払込免除特約を付けると10%を超えて保険料が高くなる試算結果になりました。

特に医療保険に関しては、月額2,455円の保険料を免除してもらうために毎月410円を支払い続けることになる可能性があることを認識しておく必要があります。

 

 

 

4.保険料払込免除特約の請求もれに注意が必要

保険料払込免除特約は請求がもれてしまう可能性が高く、注意が必要です。

私の感覚では、保険料払込免除特約をセットしている方の多くが、この特約をセットしていることを忘れてしまっています。加入時には理解している保障内容も時間の経過とともにあいまいな認識になってしまいます。

よって、三大疾病になり、所定の状態になっても請求されていない事例も多いと思います。

保険料払込免除特約は、保険料の支払いが不要となる特約で、保険金や給付金を受け取れるわけではない点も請求もれが発生しやすいポイントです。

医療保険に保険料払込免除特約がセットされている場合には、入院給付金や手術給付金などを請求する際に保険会社などから保険料払込免除特約についての指摘があると思いますので、請求もれは発生しにくいでしょう。

一方、生命保険(死亡保険)は、死亡したわけではないので、保険金や給付金の請求がないため、保険会社からの指摘もなく、請求もれが発生しやすいと思われます。
生命保険や医療保険で請求漏れが発生しやすい6つの事例

 

 

 

まとめ:保険料払込免除の必要性は高くない?

確かに、三大疾病などになったら以後の保険料を払い続けられるだろうかと不安にはなります。しかし、この特約は無料ではありませので、どのような状態になれば、保険料の払込が免除になるかをしっかりと確認したうえでコストとのバランスを考えて付加することが重要でしょう。

また、『就業不能保険は必要か?』でも書きましたが、サラリーマンの方であれば、病気で入院したからといって即、収入がゼロになるわけではありません。

業務外の病気やケガで入院した場合は、健康保険から傷病手当金が、業務上での休業であれば、労働者災害補償保険の休業(補償)給付が出ます。公的な保障の内容も確認する必要があるでしょう。

サラリーマンの方にとって保険料払込免除特約は必要性の高くない特約といえるでしょう。

但し、自営業者の場合、国民健康保険に加入していて、労災に未加入だと、上記の傷病手当金や労災のような公的保障はありませんので、ご注意ください。

最終更新日:2019年4月3日
No.119

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