対人賠償保険とは?自賠責保険との違いは?

自動車保険は、「対人賠償責任保険」や「対物賠償保険」、「人身傷害保険」、「車両保険」などがセットになった商品です。

その中で非常に重要になる補償の1つが対人賠償保険です。では、対人賠償責任保険とは、どのような補償で、誰を補償をする保険なのでしょうか?

人を補償するという意味では自賠責保険もありますが、自賠責保険に加入していれば、対人賠償保険に加入する必要はないのでしょうか?

対人賠償保険の補償内容や自賠責保険との違いについて解説します。


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1.対人賠償保険とは?

契約の車を運転中の事故などにより他人を死亡させたり、ケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負った場合、対人賠償保険で相手方の治療費などの実費や慰謝料、逸失利益、将来の介護料などが補償されます。

対人賠償保険は、法律上の損害賠償責任の額が自賠責保険で支払われる限度額を超える場合に保険金が支払われます。なお、支払われる対人賠償保険金は、1回の事故につき事故の相手の方1名ごとに、保険金額(契約時に設定した金額)が限度です。

 

 

 

2.対人賠償保険からは過失割合分の保険金が支払われる

対人賠償保険から支払われる保険金は、損害額の過失割合分です。過失割合とは、当事者間での過失(不注意)の責任を割合で表したものです。

対人賠償保険から支払われる保険金は以下の通り表せます。

「損害賠償責任額」×「加害者の過失割合」-「自賠責保険の補償額」

例えば、損害賠償責任額が1,000万円、自分の過失割合が80%の傷害事故を起こしてしまった場合、相手側に支払われる対人賠償保険金は以下の通りです。

1,000万円×0.8(過失割合)-120万円(自賠責の補償)=680万円

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3.飲酒運転や無免許運転は対人賠償保険で免責(補償対象外)となる?

「無免許運転や飲酒運転で、他人を死亡させてり、ケガをさせたりした場合、対人賠償保険では補償対象外となるのか?」という疑問を持っている方が多いと思います。

実は、被害者救済の観点から無免許運転や飲酒運転の場合も被害者は自賠責保険及び対人賠償保険で補償されます。また、危険ドラッグ(脱法ハーブ)等の薬物を服用した状態で事故を起こした場合でも被害者は補償対象です。

ただし、補償されるのは、被害者の損害であって、運転者自身のケガや自身の車両の損害は補償対象外となります。つまり、人身傷害保険や車両保険は、無免許運転や飲酒運転、薬物を使用した状態での損害は補償対象外です。
危険ドラッグを使用して事故を起こしたら自動車保険で補償されない!?

 

 

 

4.対人賠償保険の保険金額(補償額)は無制限

対人賠償責任保険の保険金額(補償額)はいくらに設定すればいいのでしょうか?

人身事故を起こした場合、損害賠償額が2、3億円を超えるような高額賠償事例がいくつもありますので、保険金額は無制限に設定すべきです。

保険会社によっては、対人賠償責任保険の補償額は無制限のみとしている会社もあります。

 

 

 

5.自賠責保険に加入してれば、対人賠償保険は不要?

自賠責保険は国の強制保険で、車検の際には自賠責保険への加入が必要となります。対人の補償として自賠責保険に加入しているのであれば、対人賠償保険は不要ではないかと思われる方もいます。

しかし、自賠責保険の補償額を見て頂ければ分かる通り、自賠責保険だけでは対人の補償は十分ではありません

【自賠責保険の補償内容】
死亡:3,000万円
後遺障害:4,000万円
傷害:120万円

2、3億を超える高額賠償事例から考えると、自賠責保険の補償だけでは不十分であるのは明らかです。自動車保険(対人賠償保険)に加入していない場合、自賠責保険を超える賠償額を請求されれば、当然、自己負担で賠償する必要があります。

よって、車を運転するのであれば、自賠責保険(強制保険)に加入し、更に上乗せで自動車保険(任意保険)に加入するのは必須といっていいでしょう。
自賠責保険を正しく理解していますか?

 

 

 

6.対人賠償保険があれば自賠責は不要?

逆に対人賠償保険の補償額を被害者1名につき無制限で加入してれば、自賠責保険は不要ではないかと考える方がいます。

しかし、対人賠償保険の保険金は、損害賠償額が自賠責保険で支払われる限度額を超える場合に、その超過部分につき保険金額を限度に支払われます。

つまり、自賠責保険の補償部分は、対人賠償保険では免責(補償対象外)となっています。自賠責保険に加入せず、対人賠償保険(自動車保険)に加入していた場合、自賠責保険部分は自己負担となってしまいます。

また、自動車保険に加入していても自賠責保険に加入していない場合、被害者との示談交渉はしないという保険会社もあります。自賠責保険部分が自己負担になるとともに、被害者との示談交渉も自分でしなければならなくなります。
自賠責保険に加入していないと発生する4つの問題点

そもそも自賠責保険は加入が義務付けられている強制保険で、未加入の場合には罰則があります。自賠責保険は強制保険で、自動車保険は任意保険と呼ばれますが、日本で車を運転する場合には、どちらも加入が必要となります。

 

 

 

7.対人賠償保険と自賠責保険の一括払い制度

事故の際は、自賠責保険と対人賠償保険は別々で請求する必要があるのでしょうか?

任意保険(自動車保険)に加入している場合、自賠責(強制)保険からの保険金と、対人賠償保険からの保険金を、保険会社が一括して支払う一括払制度があります。

よって、自動車保険への保険金請求のみを行えば、自賠責保険への請求を別途行う必要はありません。自動車保険を契約している保険会社が自賠責保険の請求を行ってくれますので、保険金請求時に自賠責保険のことを意識する必要はありません。

 

 

 

まとめ

対人賠償保険の補償内容や自賠責保険との違いについてご理解頂けたでしょうか。

自賠責保険は強制加入で、自動車保険は任意加入となっていますが、今回の記事で解説した通り、車を運転するのであれば、自賠責保険だけでなく、自動車保険(任意保険)も加入必須の保険です。

自動車保険の仕組みを知って頂き、適正な自動車保険契約をして頂ければと思います。
自動車保険の仕組み(自賠責保険と自動車保険の関係とは?)

No.336

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