健康なら保険料が返金される医療保険

2017年12月28日

医療保険は掛け捨てで、保険料がもったいないと思われている方も多いのではないかと思います。健康であれば、保険料が返金される医療保険があることをご存知でしょうか。

今回は、所定の年齢で払い込んだ保険料が戻ってくる医療保険をご紹介します。

一見、お得に感じる商品ですが、加入にあたっては、ご理解頂きたいリスクもありますので、解説します。

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1.保険料が返金される医療保険

東京海上日動あんしん生命は2013年(平成25年)1月22日から使わなかった保険料が戻ってくる医療保険を販売しています。商品名は、「メディカルキットR」です。

「メディカルキットR」は、所定の年齢まで支払った累計保険料相当額から、受け取った累計の給付金相当額を差し引いた額を健康還付給付金として返金する仕組みです。健康還付給付金受け取り後は、加入時の保険料と同額を支払い契約(保障)を継続することが出来ます。

具体的な契約例は、下記のようになります。

【契約例(平成27年10月現在)】
契約年齢:30歳(男性)
入院給付金日額:5,000円(60日型)
保険期間:終身
保険料払込期間:終身
健康還付給付金受取年齢:70歳

月払保険料:2,880円

70歳までの累計保険料
138万円

70歳までの累計給付金
30万円

健康還付給付金
138万円-30万円=108万円

上記の例だと、70歳時に健康還付給付金として、108万円を受け取ることが出来ます。

 

  • 健康還付金が支払われるのは、被保険者が70歳となった時以降に最初に迎える契約応当日です。
  • 健康還付金支払日前に解約または死亡した場合、解約返戻金が支払われます。健康還付金支払日後は解約返戻金はありません。
  • 特約部分の保険料は健康還付給付金の対象外(特約部分から給付が行われても健康還付給付金が減額されることはない)です。

 

 

 

2.保障内容

「メディカルキットR」の保障内容は保険料が返還される点以外は、他の医療保険とほぼ同じです。

保障内容の詳細は、下記の通りです。

給付金名 内容
入院給付金 入院給付金日額×入院日数を入院給付金として支払い
(1入院あたり支払日数限度:60日型のみ、通算支払
日数限度:730日)
手術給付金 入院中に公的医療保険対象手術を受けた場合、入院給付金
日額の10倍、通院中に受けた場合は入院給付金日額の5倍を
支払い(一部支払対象外の手術あり)
放射線治療給付金 公的医療保険対象の放射線治療を受けた場合、入院給付金
日額の10倍を支払い(一部対象外の放射線治療あり)
健康還付給付金 所定の年齢で『累計保険料相当額-累計給付金相当額』を払い戻し

 

 

 

 

3.他の医療保険との保険料比較

さて、『メディカルKitR』の保険料はどのくらいかというと、他の医療保険に比べると高くなります。一般的な掛け捨ての医療保険との保険料比較は下表の通りです。

【試算条件(平成27年10月現在)】
入院給付金日額:5,000円(60日型)
保険期間:終身
保険料払込期間:終身
払込方法:月払い

 

男性
年齢 メディカルkitR メディカルkit 差額
20歳 2,130円 1,395円 +735円
30歳 2,880円 1,735円 +1,145円
40歳 4,145円 2,310円 +1,835円
50歳 5,920円 3,200円 +2,720円

 

女性
年齢 メディカルkitR メディカルkit 差額
20歳 2,600円 1,540円 +1,060円
30歳 3,255円 1,775円 +1,480円
40歳 4,090円 2,085円 +2,005円
50歳 5,455円 2,780円 +2,675円

 

保険料を比較するために東京海上日動あんしん生命の解約返戻金のないタイプの医療保険である『メディカルKit』の保険料を例示しました。

既存の医療保険と比較すると『メディカルKitR』の保険料は約1.5倍~2倍といったところです。女性の40歳、50歳は特に高くなっています。

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4.契約概要

「メディカルキットR」の契約概要は下記の通りです。

 

契約年齢:0~60歳
保険期間:終身のみ
保険料払込期間:終身払いのみ
入院給付金日額:5,000円、7,000円、10,000円
払込方法:月払・年払
自動振替貸付:なし
契約者貸付:なし

尚、健康還付金支払年齢は、契約年齢によって下記の通りになります。

契約年齢 支払対象年齢
0~40歳 60歳または70歳
41~50歳 70歳
51~55歳 75歳
56~60歳 80歳

契約年齢が0~40歳の場合は、健康還付給付金を受け取れる年齢を選択できます。

 

「メイディカルkitR」で1つ注意が必要なのは、保険料の支払方法が終身払いしかなく、70歳で健康還付給付金を受け取った後も契約(保障)を継続させようとすると、契約時の高い保険料を一生払い続ける必要があります。

健康還付給付金受け取り後も契約(保障)を継続させる場合、通常の医療保険に比べ、高い保険料を長期で支払う必要があるということを考慮に入れる必要があります。

 

 

 

5.貯蓄との違いに注意

健康還付給付金が返ってくるということで、医療保険に加入しながら貯蓄をしているのと同じような効果があるという錯覚を起こしてしまいそうですが、健康還付給付金は貯蓄ではありませんので、貯蓄との違いに注意が必要です。

貯蓄との違いで注意すべき点は下記の通りです。

 

1)途中解約のリスク

貯蓄の場合は、仮に医療費用に積み立てた貯蓄でも医療費以外の用途で使う必要が発生した場合、目減りすることなく、積み立てた額を引き出すことが可能です。

しかし、「メディカルキットR」の場合、途中解約すると、払い込んだ保険料を解約返戻金が大きく割り込むことになります。契約条件にもよりますが、上記契約例で、契約後、早い段階で解約すると解約返戻率は30%台、契約後時間が経過しても70%台です。

解約する場合だけでなく、健康還付給付金を受け取る前に亡くなった場合、受け取れるのは解約返戻金です。つまり、亡くなった場合に受け取れる金額も払込保険料を割り込むことになります。

これは貯蓄との大きな違いです。

 

2)利息が付かない

健康還付給付金は払い込んだ保険料がそのまま返ってくるだけです(給付金を受け取らない場合)。しかし、貯蓄の場合は、低金利の現状でも0.001%(普通預金)程度の金利が付きます。「メディカルkitR」は、支払期間は長くなりますが、全く利息が付きませんので、その点も貯蓄とは異なります。

 

3)インフレに弱い

インフレになれば、預貯金金利は上がります。しかし、「メディカルkitR」にはそもそも金利が付きませんので、インフレに非常に弱くなります。インフレになり、物価が上がった場合、受け取る健康還付給付金は非常に少なく感じる金額になる可能性があります。

もっとも予定利率が固定されている保険商品は全般的にインフレに弱いという弱点があります。

インフレ(インフレーション)とは?
インフレとは、モノの値段が上がり、お金(通貨)の価値が下がることをいいます。

例えば、100円で買えたモノが、インフレによって200円になった場合、通貨の価値は2分の1になったことになります。

 

まとめ

貯蓄が苦手という方には、「メディカルキットR」に加入して、保険に加入しながら、お金を貯めるという方法もありかもしれません。健康還付給付金を受け取ったら、契約は解約し、受け取った健康還付給付金を医療費用に置いておくという方法もありでしょう。

しかし、貯蓄ができる方には、上記の通り、貯蓄とは異なる点があるので、おすすめできません。医療保険に関しては、保険に貯蓄機能を求めず保障は保障、貯蓄は貯蓄と別で考えることをおすすめします。

また、『医療保険は必要?不要?』で解説した通り、サラリーマンの方には手厚い公的保障がありますので、現状、医療費に対しては、貯蓄で備える方が得策でしょう。

貯蓄をしている間は、安い定期の医療保険や都道府県民共済などに加入し、目標金額まで貯蓄ができたら解約という方法もあります。

最終更新日:2017年11月23日
No.103

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