契約者、被保険者、保険金受取人の違いを理解していますか?

2017年12月29日

保険には専門用語が多く、一般の方には理解が難しいと思うことが多いと思います。

今回は、一般の方と話していて、意外と理解されていないと感じる「契約者」「被保険者」「保険金受取人」の違いについてご紹介します。


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1.契約者とは?

契約者とは、保険会社との間で保険契約を締結する当事者のことで、さまざまな権利や義務が発生します。

契約者の義務としては、保険料を支払う義務や住所が変わった場合等に保険会社に通知する義務などがあります。

契約者の権利としては、保険金額の減額、保険契約を解約する権利や保険契約を解約した際の解約返戻金を請求する権利などがあります。

 

 

 

2.被保険者とは?

被保険者とは、損害保険や生命保険の補償(保障)の対象となる人です。例えば、補償(保障)の対象となる被保険者が入院をすれば入院給付金、死亡すれば死亡保険金が契約内容に従って支払われます。

被保険者は契約者と同一人である場合もありますし、別人であることもあります。契約例としては、下記の通りです。

【契約者=被保険者の例】
契約者:夫
被保険者:夫
上記の契約例の場合は、契約者、被保険者がともに夫で、保険料負担者、保障(補償)の対象者も夫になります。

【契約者≠被保険者の例】
契約者:夫
被保険者:妻
上記の契約例の場合は、契約者が夫なので、保険料負担者は夫、保障(補償)の対象者は妻になります。

自動車保険には、記名被保険者という言葉がよく出てきますが、記名被保険者とは、主に契約の車を使用する方のことです。保険証券などに記載されるため、“記名”被保険者といいます。記名被保険者を基準として補償の対象となる方の範囲が決まります。

記名被保険者の年齢や免許の色などで自動車保険の保険料は異なりますので、非常に重要な項目です。

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3.保険金受取人とは?

保険金受取人とは、保険事故発生の際に保険会社から保険金や給付金を受け取る人のことです。

一般的に、入院や通院時に支払われる給付金については被保険者である本人が給付金の受取人になります。死亡時に支払われる保険金については契約者により指定された者が受取人となります。

また、保険金受取人が保険金を受け取る権利は、受取人固有の財産とされています。民法上、死亡保険金は相続財産に含まれません(税法上はみなし相続財産)。

よって、相続時に死亡保険金受取人である相続人が相続の放棄をした場合であっても、死亡保険金を受け取ることが可能です。被相続人に借金が多く、相続人が相続放棄を選択する可能性が高い場合には、生命保険を活用することにより残された遺族等に死亡保険金を受け取らせることができます。

なお、死亡保険金は民法上の相続財産には含まれないので、遺産分割の対象にもなりません。死亡保険金は遺産分割の対象にならないので、自分の財産をどうしても渡したい方がいるという場合にも生命保険は活用できます。

保険金受取人についての詳細については、下記記事をご参照ください。
死亡保険金受取人は誰でも指定できる?

 

 

 

4.保険金の税金

保険金を受け取るとどのような税金が課税されるのかというご質問をよく頂くのですが、契約形態(契約者、被保険者、保険金受取人の関係)によって課税される税金は異なります。

保険金に課税される税金は契約形態により、下表の通りになります。
税金の種類 契約者 被保険者 受取人
相続税(注1 A(例:夫) A(例:夫) B(例:妻)
贈与税(注2 B(例:妻) A(例:夫) C(例:子)
所得税(注3 B(例:妻) A(例:夫) B(例:妻)
(注1 相続税法 第3条1項1号、相続税基本通達5-5-(1)
(注2 所得税法 第34条
(注3 相続税法 第5条1項 相続税施行令 第1条の5、相続税基本通達5-5-(2)

保険金の税務についての詳細は下記記事をご参照ください。
死亡保険金に課税される税金

 

 

 

5.法人も契約者、被保険者、受取人になれる?

契約者、被保険者、保険金受取人は、個人だけではなく、法人を指定することも可能です。例えば、生命保険の場合、下記のような契約が可能です。

【契約例】
契約者:法人
被保険者:従業員・役員
保険金受取人:法人

上記契約例の場合、保険料は契約者である法人が支払い、被保険者である従業員や役員に死亡などの保険事故が発生すれば、保険金受取人である法人が保険金を受け取ることになります。

また、下記のような契約も可能です。

【契約例】
契約者:法人
被保険者:従業員・役員
保険金受取人:従業員・役員の遺族

上記契約例の場合、保険料は契約者である法人が支払い、被保険者である従業員や役員に死亡などの保険事故が発生すれば、従業員・役員の遺族が保険金を受け取ることになります。

法人が契約者の場合、加入する保険の種類や保険金受取人に誰を指定するかによって、法人が支払う保険料の経理処理、保険金に課税される税金が異なります。

 

 

 

まとめ

多くの方が契約者と被保険者を混同されている印象があります。

また、保険金については、上記の通り契約形態(契約者、被保険者、保険金受取人の関係)によって課税される税金が異なり、一般の方にとっては、非常にややこしいと思います。

どの税金が課税されるかによって、税額が大きく異なる場合がありますので、契約時にはご注意頂ければと思います。

最終更新日:2017年4月7日
No.212

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