死亡保険金の非課税限度額について勘違いが多いポイント

2017年12月29日

相続の際に生命保険や損害保険の死亡保険金には下記の非課税限度額があることをご存知でしょうか?2015年1月に相続税制が増税の方向に改正され、注目を集めているので、ご存知の方も多いと思います。

しかし、意外に勘違いされている方が多いので、今回は、非課税限度額について勘違いが多いポイントについてご紹介します。どのようなポイントに気を付けるべきなのかを知り、死亡保険金の非課税限度額をご活用頂ければと思います。


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1.非課税限度額とは?

相続税には死亡保険金に下記の非課税限度額(相続税法第12条)があります。

非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

死亡保険金を受け取っても上記の非課税限度額までは、相続税は課税されません。

例)
法定相続人が妻と子供2人の場合の非課税限度額
500万円 × 3人 = 1,500万円

 

 

 

2.保険金受取人が一人でも・・・

相続人が3人居る場合、死亡保険金の非課税限度額は上記の通り1,500万円になりますが、1人につき、非課税限度額が500万円だと勘違いされている方がいます。

例えば、相続人が3人の場合、1,500万円の非課税限度額を活用しようと思うと、相続人1人に対して500万円ずつの死亡保険金を受け取らせる必要があるという勘違いです。

実は、相続人3人の内、1人に1,500万円の保険金を受け取らせても、それは全て非課税になります。つまり、1人が1,500万円の保険金を受け取り、残りの2人が全く保険金を受け取らなくてもその1人が受け取った1,500万円は全額が非課税になります。

 

 

 

3.非課税限度額を超える場合

非課税限度額を超える死亡保険金を複数人の相続人が受け取った場合、どのように非課税額は計算されるのでしょうか?

下記の生命保険の契約事例でご説明します。

■契約者、被保険者
被相続人

■保険金受取人
妻:3,000万円
長男:1,000万円
次男:1,000万円

■法定相続人(3人)
妻、長男、次男

上記事例の場合、死亡保険金の非課税限度額は法定相続人3人で1,500万円ですが、その非課税額は受け取る保険金の額で按分されます。

■妻の非課税額
1,500万円 ÷ (3,000÷5,000) = 900万円

■長男の非課税額
1,500万円 ÷ (1,000÷5,000) = 300万円

■次男の非課税額
1,500万円 ÷ (1,000÷5,000) = 300万円

保険金から上記の非課税額を差し引いた額が相続税の課税対象になります。

□妻の課税対象額
3,000万円 - 900万円 = 2,100万円

□長男の課税対象額
1,000万円 - 300万円 = 700万円

□次男の課税対象額
1,000万円 - 300万円 = 700万円

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4.相続税の基礎控除とは別枠

死亡保険金の非課税限度額(相続税法第12条)の話をすると、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と混同される方がいます。死亡保険金の非課税限度額は、相続税の基礎控除とは別枠で利用可能です。

【例】
法定相続人が3人の場合

基礎控除
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

非課税限度額
500万円 × 3人 = 1,500万円

上記事例の場合、相続税の基礎控除と死亡保険金の非課税限度額を合わせて6,300万円までが相続税非課税となります。

 

 

 

5.契約形態に注意が必要

非課税限度額を利用するには、保険契約の契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)に注意が必要です。相続税が課税される契約形態でないと、相続税法第12条の非課税枠を利用することはできません。

以前から何度かご紹介していますが、契約形態によって課税される税金が下記の通りになります。
税金の種類 契約者 被保険者 受取人
相続税(注1 A(例:夫) A(例:夫) B(例:妻)
贈与税(注2 B(例:妻) A(例:夫) C(例:子)
所得税(注3 B(例:妻) A(例:夫) B(例:妻)
(注1 相続税法 第3条1項1号、相続税基本通達5-5-(1)
(注2 所得税法 第34条
(注3 相続税法 第5条1項 相続税施行令 第1条の5、相続税基本通達5-5-(2)

上記の通り、契約者、被保険者が同一人で受取人が異なる場合が、相続税の課税対象になります。具体例としては、契約者、被保険者が夫で、受取人が妻というような場合です。

 

 

 

6.相続人のみの制度

保険金受取人が相続人でなければ死亡保険金の非課税限度額は活用できません。

例えば、上記の相続税の形態の生命保険契約をしても、保険金受取人が相続人でなければ、死亡保険金の非課税限度額は利用できず、受け取る死亡保険金は相続税の課税対象になります。例えば、内縁(事実婚)の配偶者を保険金受取人にすると、内縁(事実婚)の配偶者は相続人ではないので、死亡保険金の非課税限度額(相続税法第12条)は利用できません。
内縁の妻(夫)に相続権はない?

 

 

 

まとめ

相続税法第12条の死亡保険金の非課税限度額は、相続税の改正で注目を浴びていますが、上記のような勘違いをされている方も多いように思います。

非課税限度額の活用は最も簡単な相続税対策の1つです。生命保険などを契約する際には、上記内容を参考にして、勘違いのないように非課税限度額(相続税法第12条)を活用して頂ければと思います。
一時払い終身保険の活用法

最終更新日:2017年3月16日
No.211

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