「貯蓄型保険」と「掛け捨て保険」のどちらに加入すべきか?

2018年11月9日

「掛け捨て保険と貯蓄型保険、どちらに加入すべきですか?」というご質問をよく頂きます。どちらに加入した方がお得でしょうか?

生命保険には、貯蓄型と掛け捨て型がありますが、「貯蓄型(積立型)の生命保険の方が得」や「生命保険は絶対に掛け捨て型に加入すべき」など、色々な話を聞くこともあり、どちらに加入すべきか悩んでいる方もいると思います。

今回の記事では、掛け捨ての定期保険と貯蓄型の終身保険の比較を通して、掛け捨て型と貯蓄型(積立型)の生命保険の特徴について解説したいと思います。

今回の記事を読んで「掛け捨て型」と「貯蓄型(積立型)」の生命保険のメリット、デメリットを理解し、どちらに加入するのがご自身に合っているかを判断して頂ければと思います。

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1.掛け捨て型の保険とは?

掛け捨て型の保険とは、貯蓄性のない生命保険のことをいいます。掛け捨て型の保険の代表的な商品に定期保険があります。

定期保険は、契約により定められた一定期間を保障する保険です。原則として、掛け捨ての保険で、保険期間の途中で解約しても解約返戻金はないか、あってもごくわずかです。また、満期保険金もないため、貯蓄性はありません

同じ保障額であれば、終身保険、養老保険と比べ、保険料が一番安くなります。

 

 

 

2.貯蓄型(積立型)保険とは?

貯蓄型保険とは、貯蓄性のある保険です。万が一の保障を準備しながら、貯蓄も兼ねることができる商品で、貯蓄型保険には、終身保険や養老保険などがあります。

終身保険は、被保険者(保障の対象者)が亡くなるまで、一生涯を保障する保険です。また、終身保険は掛け捨てではなく、解約返戻金があり、貯蓄性がある商品です。

定期保険のように更新はありませんので、払込期間中の保険料は変わらず一定です。

同じ保障額(保険金額)であれば、定期保険よりは保険料は高くなりますが、養老保険に比べれば保険料は安くなります。3つの保険の保険料は下記のような関係になります。

「定期保険」 < 「終身保険」 < 「養老保険」

 

 

 

3.終身保険と定期保険の保険料比較

定期保険と終身保険の保険料はどの程度違うのかを実際に試算してみました。

【試算条件】
被保険者:男性(30歳)
保険金額:3,000万円

定期保険(無解約返戻金型)
保険期間:60歳
月額保険料:7,950円

終身保険
保険期間:終身
払込期間:60歳
月額保険料:57,690円

保険料だけ比較すると、貯蓄型の終身保険の保険料は、掛け捨て型の定期保険の保険料の7倍以上になります。

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4.「掛け捨て保険」と「貯蓄型(積立型)保険」を途中解約した場合の比較

さて、保険期間の途中で解約する必要が発生した場合、「掛け捨て型」の定期保険と「貯蓄型」の終身保険ではどちらの方が負担が大きくなるでしょうか?

終身保険と定期保険を途中解約した場合の実質負担額(払込保険料-解約返戻金)を確認したいと思います。

終身保険

期間 総払込保険料 解約返戻金 実質負担額
5年 3,461,400 2,643,000 818,400
10年 6,922,800 6,129,000 793,800
15年 10,384,200 9,540,000 844,200
20年 13,845,600 13,188,000 657,600
25年 17,307,000 17,085,000 222,000

定期保険

期間 総払込保険料 解約返戻金 実質負担額
5年 477,000 0 477,000
10年 954,000 0 954,000
15年 1,431,000 0 1,431,000
20年 1,908,000 0 1,908,000
25年 2,385,000 0 2,385,000

上記の試算例だと、契約当初は掛け捨ての定期保険の方が月額の保険料及び、実質の保険料負担の両方で、勝りますが、10年経過時には貯蓄性のある終身保険の方が実質負担額が小さくなります。

一定期間経過後に解約する場合には、終身保険の方が実質負担額は小さいことが分かります。

 

 

 

5.「貯蓄型(積立型)保険」の積立効果は?

終身保険の保険料から定期保険の保険料を除いた部分を30年間積み立てていると仮定した場合の積立効果を確認したいと思います。

30年間の積立効果は、下記の通りになります。

終身保険と定期保険の年間保険料差額
692,280円 - 95,400円 = 596,880円

30年間の積立額
596,880円 × 30 = 17,906,400円

終身保険の30年後の解約返戻金
21,294,000円118.91%

終身保険の保険料から定期保険の保険料を除いた部分を30年間積み立てたと仮定すると、17,906,400円になります。一方、終身保険の30年後の解約返戻金は21,294,000円となります。よって積立部分の返戻率は、21,294,000円÷17,906,400円=118.91%となります。

上記の結果は、年約1.1%の利率で積立金を複利運用していたことになります。現在(平成28年9月)の銀行の定期預金金利(10年)が0.01%程度だということを考えると預金するよりもいいという結果になります。

 

 

 

6.「貯蓄型(積立型)保険」のメリット、デメリット

「貯蓄型(積立型)保険」のメリット、デメリットをまとめると下記の通りです。

 

・メリット1:保障を準備しながら貯蓄ができる

「貯蓄型」の終身保険は「掛け捨て型」の定期保険に比べれば、保険料は高いですが、貯蓄性があり、保障と貯蓄を両立させることができます。また、上記の通り、積立の効果も現在の定期預金と比べて良くなります。

条件によっては、払い込んだ保険料も多くの解約返戻金を受け取ることができます。

 

・メリット2:貯蓄が苦手な方でもお金を貯めやすい

貯蓄型保険は、保険に加入していると自動的に貯蓄にもなっているので、貯蓄が苦手な方でもお金を貯めやすいメリットがあります。

財布や銀行口座にお金があると使ってしまう方でも、保険を解約してまでお金を使うとなると、抵抗があると思います。

貯蓄型保険は、保険料という形で保険会社にお金を支払うことで、一旦自分の前からお金が無くなります。一旦自分の目の前から消えたお金が保険会社に貯まっていくことになるので、貯金が苦手な方でも気づいたらお金が貯まっていたという状況を作りやすくなります。

 

メリット3:保険料控除が受けられ、節税になる

定期預金や普通預金にお金を積み立てても税制上の優遇措置はありませんが、貯蓄型保険に加入すると、保険料控除が受けられます。

生命保険料控除とは、納税者の支払った生命保険料の一定額がその年の契約者(保険料を支払う人)の所得から差し引かれる制度です。

所得から保険料が差し引かれるということは、それだけ所得が少なくなります。よって、税金の対象となる金額が少なくなり、所得税や住民税が軽減されることになります。

終身保険や養老保険に加入すれば「一般生命保険料控除」、年金保険に加入すれば「個人年金保険料控除」が受けられます。
生命保険料控除とは?|確定申告や年末調整時の控除申告書の書き方

 

・デメリット1:早期解約のリスク

貯蓄型の生命保険でご注意頂きたいデメリットが、早期解約のリスクです。

早期で解約すると、解約返戻金が支払保険料を大きく下回ります。よって、貯蓄性があるからといって、余裕資金を全て終身保険等の貯蓄性のある保険に投入することはお勧めできません。

急にまとまったお金が必要になった場合に解約ということになると、逆に損になる可能性があります。

また、終身保険には、低解約返戻金型という保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えることによって保険料を安くする商品がありますが、低解約返戻金型の商品の場合は、更に中途解約のリスクは大きくなります。

一見、保険料が安く魅力的に思える低解約返戻金型の商品も中途解約の時期によっては、解約返戻金が払込保険料を大きく下回る可能性がある点にご注意ください。
終身保険(低解約返戻金型)加入時に確認すべきポイント

人生何が起こるかわかりません。収入が大きく減る事態が発生することもあります。そのような点も考慮して、貯蓄型保険の保険料は、無理のない範囲の額に抑え、低解約返戻金型の商品でへの加入は慎重に判断すべきです。

 

デメリット2:資金を長期間固定することになる

また、貯蓄型の終身保険は長期間、保険料を支払い続け、資金を固定することになりますので、運用環境によってはそれがリスクになります。

現在のような超低金利の時代に低い金利で資金を固定してしまうと、金利が上がった際の高金利を逃してしまうというリスクがあります。保険はインフレには弱い商品といえます。

 

 

 

6.「掛け捨て保険」のメリット、デメリット

「掛け捨て保険」のメリット、デメリットをまとめると下記の通りです。

 

メリット:保険料が安い

「掛け捨て型」生命保険のメリットは保険料が安いところです。上記の通り、同じ保険金額の「貯蓄型」の終身保険と「掛け捨て型」の定期保険の保険料を比べると、終身保険の方が7倍以上高くなります。

「掛け捨て型」の生命保険は、「貯蓄型」の生命保険に比べて安い保険料で大きな保障を準備することができます

 

デメリット:貯蓄性がほとんどない

「掛け捨て型」の生命保険は、途中で解約した場合、解約返戻金があってもごくわずかか、全くありません。

また、満期保険金もありませんので、満期になれば、保障はなくなり、満期保険金も受け取れず、それまで支払った保険料は、全く戻ってくることはありません。

 

 

 

まとめ

「掛け捨ての生命保険」と「貯蓄型の生命保険」のどちらが得ということはありません。ご自分の状況やニーズに合った商品を選択して頂ければと思います。

「掛け捨ての生命保険」が向いている方と「貯蓄型の生命保険」が向いている方をまとめると、下記の通りです。

「掛け捨ての生命保険」が向いている方
掛け捨ての定期保険は、安い保険料で大きな保障を準備出来るメリットはありますが、払った保険料は全く戻ってきません。保障と貯蓄は別、保障はなるべく安い保険料で準備したいという方に向いているといえます。

「貯蓄型の生命保険」が向いている方
貯蓄型の終身保険は、保険料は高いですが、貯蓄性があり、払込満了まで解約しなければ、支払った保険料を超える解約返戻金が受け取れる可能性があります。掛け捨ては嫌いで、貯蓄も苦手、運用も自分でやるより、保険会社に任せたいという方に向いているといえます。

上記の通り、メリットだけという商品はありませんメリットがあれば、デメリットもあるということを認識して頂き、商品を選択して頂ければと思います。

どのような保険に加入するか迷っていてプロに相談したい場合には、下記ページからFP(ファイナンシャル・プランナー)に無料で相談が可能です。
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