自動車保険の「同居の親族」の範囲とは?

2018年8月14日

保険のパンフレットをみていると「同居の親族」という言葉が頻繁に出てきます。特に自動車保険のパンフレットには多く出てくる用語です。

この言葉だけだと曖昧でどの範囲が親族かが分かりません。しっかりと理解していないと補償の範囲だったと思っていた人が補償範囲外だったということになりかねません。

特に下記のポイントについては、疑問に感じる方が多いのではないでしょうか?
・親族とはどこまでの範囲の人を指すのか?
・同居とは具体的にどのような状態か?

今回は「同居の親族」について確認してみたいと思います。どのような場合に「同居の親族」がポイントになるのかかをご紹介します。親族の範囲について理解して頂き、勘違いのない保険契約をして頂ければと思います。

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1.同居とは?

まず、保険で「同居」とはどのような状態を指すのかを解説したいと思います。

同居」とは、同一家屋に居住している状態をいいます。生計の同一性や扶養関係等の有無または、住民票記載の有無は問いません。つまり、実態で判断されるので、住民票が別のところにあっても実際に一緒に住んでいれば、同居と判断されます。

「同居の証明はどのようにするのか?」と思われる方が多いと思いますが、実際にどこに住んでいるかは、公共料金やクレジットカード、携帯電話料金の請求書が送付される先や生活用動産(家具や衣服等)の所在によって判断します。

同一家屋とは、建物の主要構造(外壁、柱、屋根、小屋組、はり)のいずれも独立して備えたものを同一の家屋とします。

同居と別居の具体的なケースは下記の通りです。

 

1)一般的に同居と判断されるケース

①台所等の生活用設備を有さない「はなれ」等に居住している場合
②独立した建物である「勉強部屋」等に居住している場合
③二世帯住宅で玄関を共有していて、寝室を除く生活用設備を共有している場合

2)一般的に別居と判断されるケース

①マンション等の集合住宅で各個室の区分が明確な場合
②同一敷地内であるが、別家屋の住居の場合(生計の同一性は問わない)
③単身赴任・就学のために下宿している子
④二世帯住宅で生活用設備を共有していない場合

上記はあくまで一般的なケースですので、具体的に同居と判断されるか、別居と判断されるか迷う場合につきましては、各保険会社に確認することをお勧めします。

 

 

 

2.親族とは?

次に親族とは「6親等内の血族」、「配偶者」および「3親等内の姻族」をいいます。これは保険に限った用語ではなく、法律で親族という用語の定義が決まっています

 

1)血族は本人を基点として算定

血族は本人を基点として算定します。具体例は下記の通りです。

例)
1親等の血族:「父母・子」
2親等の血族:「祖父母・孫・兄弟姉妹」
3親等の血族:「曾祖父母・ひ孫」  等

2)姻族は配偶者を基点として算定

姻族は配偶者を基点として算定します。具体的には下記の通りです。

例)
1親等の姻族:「舅(しゅうと)・姑(しゅうとめ)」
2親等の姻族:「配偶者の兄弟姉妹」
3親等の姻族:「配偶者の兄弟姉妹の甥(おい)姪(めい)」 等

親族図(6親等内の血族、3親等以内の親族)

上図はおもな親族で、これが全てではありません。

実際に上図を見ながらご自身の親族を思い出してみて欲しいのですが、親族の範囲は意外と広いことがお分かり頂けると思います。

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3.配偶者は事実婚(内縁関係)も含まれる?

保険の用語としての「配偶者」は、法律上の婚姻関係にない場合も以下の条件を満たせば、事実婚(内縁関係)として配偶者と認められます
①婚姻の意思を有すること。
②同居により夫婦同様の共同生活を送っていること。

但し、婚約者は配偶者には含まれないということには注意が必要です。

また、保険業界でもLGBT(性的少数者)に関する取組が始まっていて、東京海上日動は事実上婚姻関係と同様の事情にある同性間のパートナーを異性間のパートナーと同様の取り扱いとする改定を実施しました。

具体的には配偶者に関する規定を変更し、事実上婚姻関係と同様の事情にある同性間のパートナーを「配偶者」に含むことになります。
同性パートナーと保険

配偶者に事実婚(内縁関係)や同性間のパートナーも含まれるとメリットもありますが、逆にデメリットもあります。

例えば、自動車保険の運転者限定特約(「本人・配偶者限定」や「家族限定」)に内縁の配偶者が補償対象者として含まれる点は、メリットではありますが、逆に年齢条件が内縁の配偶者にも適用される点には注意が必要です。

事実婚の夫35歳の車を事実婚の妻20歳が運転する場合、年齢条件は事実婚の妻に合わせて「全年齢補償」にする必要があり、自動車保険の保険料が高くなります。

 

 

 

4.「同居の親族」がポイントになる補償や特約

さて、保険の中で「同居の親族」がポイントになる補償や特約にはどのようなものがあるでしょうか。自動車保険を例にご紹介します。

 

1)等級が引き継げる範囲

契約台数が9台以下の自動車保険はノンフリート契約(10台以上はフリート契約)と呼ばれていて、「1~20等級の区分」、「無事故・事故有の区分」により保険料が割増引きされるノンフリート等級別料率制度が採用されています。

自動車保険の割引制度として認識されている方が多く、通常は、6等級からスタートし、事故が無ければ1年に1つずつ等級が上がり、割引率が上がっていく仕組みになっています。

そのノンフリート等級が引き継げる範囲は下記の通り配偶者及び同居の親族までです。

等級の引継ぎが可能な範囲

・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者の同居の親族
・配偶者の同居の親族
※配偶者は内縁関係でも可です。また、同性パートナーにも等級が引き継げる保険会社もあります。

ノンフリート等級の引き継ぎの詳細については、下記記事をご参照ください。
自動車保険の等級(割引)を知人に譲ることができるか?

2)年齢条件特約

記名被保険者またはその配偶者の同居の親族”に年齢条件が適用されます。

年齢条件の設定方法等の詳細な内容については、下記記事をご参照ください。
年齢条件を設定るす際に抑えておくべき4つのポイント

3)運転者限定特約

運転者限定特約の「家族限定」の家族には“記名被保険者またはその配偶者の同居の親族”が含まれます。

運転者限定特約の詳細な内容については、下記記事をご参照ください。
運転者を限定して保険料節約

4)ファミリーバイク特約

ファミリーバイク特約は、“記名被保険者またはその配偶者の同居の親族”が被保険者となり、補償の対象になります。

ファミリーバイク特約の詳細な内容については、下記記事をご参照ください。
ファミリーバイク特約を検討する際に確認すべき9つのポイント

5)個人賠償責任補償特約

自転車保険で注目されている個人賠償責任補償特約(保険)も“記名被保険者またはその配偶者の同居の親族”が被保険者となり、補償の対象になります。

以前の記事でも何度かご紹介している個人賠償責任補償特約ですが、補償の対象となる範囲がかなり広いです。
自動車、火災保険等の個人賠償責任補償特約の比較まとめ
自転車保険に加入する前に
個人賠償責任保険とは?

よく、同居している家族でも1人ずつ自転車保険(個人賠償責任保険)に加入する必要があると勘違いされている方もいます。

しかし、上記の通り、同居の親族も補償対象になるので、基本的に同居しているご家族は1つの契約で全員補償されます。

 

 

 

まとめ

同居の親族についてご理解頂けたでしょうか。同居の親族について勘違いがないかをご確認ください。勘違いしていると、補償対象と思っていた方が、実は補償対象ではなかったという事態も発生し得ます。

同居の親族として判断していいか迷うケースは自分では判断せず、代理店または、保険会社に確認することをお勧めします。

 

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最終更新日:2018年8月14日
No.152

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