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対物賠償保険の保険金額は「無制限」のみ?

自動車保険の対物賠償責任保険の補償額(保険金額)は無制限になっているでしょうか?稀に対物賠償責任保険の補償額(保険金額)が1,000万円という契約をされている方がいます。

対物賠償責任保険の補償額(保険金額)を無制限にしないと契約者の方にとってかなり不利益な問題が発生する場合があります。

対物賠償責任保険の補償額を無制限にしない場合の問題点と各社の対物賠償責任保険の保険金額設定について比較をしてみたいと思います。

1.対物賠償保険が「無制限」以外の割合

自動車保険の対人賠償責任保険や対物賠償責任保険は、「無制限」が当たり前と思っている方が多いとは思いますが、実際にはどの程度の契約で対物賠償責任保険が「無制限」以外に設定されているのかを調べてみました。

『損害保険料率算出機構統計集(平成26年度版)』によると、約92%が「無制限」約8%が「無制限」以外で契約されています。

ほとんどの方が対物賠償責任保険を「無制限」で契約されていますが、少しでも保険料を安くしたいと「無制限」以外で契約されている方もいます。

対物賠償責任保険とは?
対物賠償責任保険とは、契約の自動車を運転中の事故などにより、他人の自動車や物を壊し、法律上の損害賠償責任を負った場合、保険金額を限度に保険金が支払われる。
対人賠償責任保険とは?
対人賠償責任保険とは、契約の自動車を運転中の事故などにより、他人を死亡させたり、ケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負った場合に、自賠責保険などで支払われるべき額を超える部分に対して、保険金額を限度に保険金が支払われる。
 

 

 

2.対物賠償保険の保険金額(補償額)設定方法

対物賠償責任保険の補償額(保険金額)は、下記のように無制限以外の補償額を選ぶことが可能な保険会社がほとんどです。

対物賠償保険の保険金額(補償額)設定方法

アクサダイレクト
無制限・2,000万円・1,000万円から保険金額(補償額)を選択

ソニー損保
無制限・9,000万円~1,000万円を1,000万円単位で保険金額(補償額)を選択可能

対物賠償責任保険の補償額は選択可能になっているのですが、各社のHP上では「無制限での契約をお勧めします」となっています。

無制限での契約を勧めている理由は、対物事故の高額賠償判決例があるからです。各社のHP上には、対物事故による1億円や2億円を超えるような高額賠償判決例が掲載されています。

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3.対物賠償保険が「無制限」のみの自動車保険

実は、セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」は、対物賠償責任保険は無制限のみで、保険金額を無制限以外に設定することはできません。

セゾン自動車火災保険のHPには下記のような記載があり、対物賠償責任保険の保険金額を「無制限」のみとしています。

対物事故は、相手の方への賠償が高額になるケースがあります。万が一に備え、おとなの自動車保険では対物賠償保険金額を無制限に設定しています。

対物賠償責任保険を「無制限」にしない理由は色々とあると思いますが、個人の契約については、補償額が「無制限」のみで選択できないのは、逆に契約者のためであり、補償額が選択できるより親切だと個人的には思います。

 

 

 

4.エコノミープランの対物賠償保険金額に注意

保険料節約プランとして、対物賠償責任保険の保険金額(補償額)を「無制限」ではなく、5,000万円としたプランを勧めている保険会社もあります。

確かに対物事故で5,000万円を超えるような賠償額になる可能性は低いと思います。しかし、賠償額が5,000万円を超える確率はゼロではありませんので、仮に賠償額が5,000万円を超えた場合には、自腹で賠償しなければなりません。

以前、エコノミープランの保険料だけを見て、契約し、実は対物賠償責任保険の保険金額が「無制限」ではなかったという方がいらっしゃいました。意識せずに対物賠償責任保険を「無制限」以外で契約していて事故を起こしてから気付くという可能性もあるので、注意が必要です。

 

 

 

5.対物賠償保険の保険金額を下げることは、費用対効果の低い節約方法

お勧めできない自動車保険を安くする方法(節約法)』でご紹介しましたが、対物賠償責任保険の保険金額を「無制限」から1,000万円等に引き下げる節約方法は、以下の通り、非常に費用対効果が低い節約手法です。

 

1)保険料は思ったほど安くならない

対物賠償責任保険の保険金額を「無制限」から「1,000万円」に引き下げたとしても安くなる保険料は多くの場合、年間1,000円にも満たない金額です。

対人事故だけでなく、対物事故でも賠償額が1億円を超える事故例は沢山あります。年間1,000円程度の節約で、大きな賠償額を自腹で支払うリスクが発生します。

2)示談交渉サービスが受けられない可能性

実は、下記記事でもご紹介しましたが、損害賠償額が保険金額を明らかに上回る事故の場合、保険会社による示談交渉サービスは受けられなくなります
対物賠償を無制限にしない場合の3つの問題点

例えば、対物賠償責任保険の保険金額1,000万円の自動車保険を契約し、対物事故に対して事故相手から5,000万円の損害賠償を請求された場合、保険会社は示談交渉をしてくれません。

保険金額と賠償額の差額の4,000万円を自腹で支払い、更に相手方との示談交渉も自ら行う必要性が発生します。

上記の通り、対物賠償責任保険の保険金額を「無制限」から「1,000万円」などに下げる節約方法は、デメリットが非常に大きい割には、節約額は1,000円程度と費用対効果が非常に低い方法です。

ご契約されている自動車保険の対物賠償責任保険の保険金額が「無制限」以外であれば、「無制限」に変更することをお勧めします。保険期間の途中で保険金額を無制限に変更することも可能です。

 

 

 

6.対人賠償責任保険は「無制限」のみ

余談ですが、対人賠償責任保険については、「無制限」以外を選択できる会社は恐らくほとんどないと思います。

今回、下記6社の対人賠償責任保険について調べましたが、全ての保険会社で「無制限」以外の選択は不可でした。

対物賠償保険の保険金額が「無制限」のみの主な保険会社

  • 三井ダイレクト損保
  • セゾン自動車火災保険
  • ソニー損保
  • アクサダイレクト
  • イーデザイン損保
  • チューリッヒ

 

 

 

まとめ

補償内容を下げて、保険料が安くなるのは当たり前です。ムダな補償や特約を外して保険料を下げることは重要ですが、必要な補償を下げて節約することは得策とはいえません。

必要な補償内容を確保しつつ、保険料を安くすることが重要ではないでしょうか。

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最終更新日:2018年10月16日
No.253