対物賠償責任保険を無制限にしない場合の3つの問題点

2018年10月16日

自動車保険の対人賠償責任保険(以下、対人賠償)、対物賠償責任保険(以下、対物賠償)の保険金額(補償額)は無制限が当たり前となっていますが、稀に対物賠償の保険金額(補償額)が無制限でない契約を見かけます。

例えば、下記のような契約内容です。
対人賠償:無制限
対物賠償1,000万円

保険料の節約で対物賠償の保険金額を1,000万円にしているのだと思いますが、この契約だと問題が発生する可能性があります。

今回は、対物賠償の保険金額を無制限にしない場合の3つの問題点をご紹介したいと思います。

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1.意外に高額な対物賠償事例

今回のような契約事例でいくと、対物事故の保険金支払の上限は当然のことながら、1,000万円が限度となります。対物事故で1,000万円を超える損害を発生させてしまった場合は、1,000万円を超える部分は、自己負担で賠償する必要があります。

自動車で人をはねてしまったら高額な賠償金を請求される可能性があると誰もが考えると思います。しかし、対物の事故でそんなに高額な支払事例があるのか?と考える方もいると思います。

実は、対物の賠償額も場合によっては高額になる可能性があります。ある保険会社のパンフレットに掲載されている高額賠償事例は下表の通りです。

認定損害額 裁判所 被害物
1億3,580万円 東京 店舗
1億2,037万円 福岡 電車・家屋など
1億1,798万円 大阪 トレーラー

ご覧の通り、1億を超える対物賠償事例もあります。損害額が保険金額を超える場合は当然、保険金額を超えた部分については自己負担で賠償する必要が発生します。

2億を超える対物賠償事例も発生しています。対物の高額賠償事例を載せているサイトを見つけましたので、参考にしてみてください。
交通事故高額賠償判決例(物損事故) そんぽ24

事故起こした場合、「直接損害」と「間接損害」が発生し、そのどちらも請求されることをご存知でしょうか?

例えば、営業中の店舗に突っ込む事故を起こしてしまった場合、店舗の修理費や商品や設備・什器の修理費という「直接損害」が発生するだけでなく、事故の影響により店舗を休業することになった場合、休業期間中の利益を失ってしまうという「間接損害」が発生します。事故を起こした加害者は、この「直接損害」と「間接損害」を賠償する義務が発生しますので、請求される賠償額が高額になる可能性があります。

 

 

2.保険料節約にはならない?

ところで、対物賠償の保険金額(補償額)が1,000万円と無制限でどのくらい保険料に差が出るのかを確認すると車等の条件にもよりますが、そんなに大きな差はありません。

下記の例をご覧ください。

 

【試算条件】
商品:トータルアシスト
自動車:自家用軽四輪
免許色:ブルー
使用目的:日常・レジャー
対人賠償:無制限
人身傷害保険:3,000万円(搭乗中のみ補償)
車両保険金額:100万円(一般条件) 免責0-10万円
等級:14等級
事故有等級適用期間:0年
記名被保険者年齢:30~39歳
年齢条件:35歳以上

対物賠償無制限
年間保険料:67,000円

対物賠償1,000万円
年間保険料:66,490円

 

東京海上日動の自動車保険で「対物賠償:無制限」と「対物賠償:1,000万円」の試算をしてみましたが、上記試算条件での保険料差は、なんと年間510円です。

保険会社や車種等でも多少は異なるとは思いますが、保険料差はそんなに大きくならないでしょう。このくらいの保険料差でしかないことを考えると、対物賠償の保険金額を無制限にしないことに大きな意味を感じられません。
お勧めできない自動車保険を安くする方法(節約法)

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3.示談交渉が受けられない可能性あり!?

実は、賠償額が保険金額を大きく超えるような場合、保険会社は示談交渉してくれません。

保険会社のパンフレット等には示談交渉ができない場合として下記のような一文があります。
損害賠償額が明らかに保険金額を超える事故

賠償額が保険金額を大きく超える場合は、賠償額と保険金額の差額を自己負担で賠償するとともに、自分で相手方と示談交渉を行う必要が発生します。

自己負担が発生するとともに、示談交渉まで自分で行うとなると、大きなストレスになることは間違いありません。

 

 

まとめ

対物賠償を無制限にしないメリットとデメリットを考えるとデメリットの方がかなり大きいので、対物賠償の保険金額(補償額)は無制限にする方がいいのは間違いありません。メリットである保険料の節約額に対して発生するデメリットがあまりにも大き過ぎます。

確かに対物事故で賠償額が数千万円を超えるような高額な事例が発生する確率は非常に低いかもしれません。しかし、確率はゼロではありません。また、対物賠償の保険金額(補償額)を1,000万円に下げたとしても大きな節約になるわけではありませんので、対物賠償“無制限”をお勧めします。

対物賠償保険の保険金額(補償額)の設定を「無制限」のみとしている保険会社もあります。
対物賠償保険の保険金額は「無制限」のみ?

 

尚、通販型自動車保険の「節約プラン」を選んだら対物賠償の保険金額が5,000万円だったという方がいらっしゃいました。その方は、保険料を安くすることだけに意識が集中していて対物賠償が無制限ではないということに気付いていませんでした。

対物賠償5,000万円と無制限であれば、保険料の差は本当に微々たるものだと思います。上記事例のように気付かないうちに対物賠償の保険金額が“無制限”以外に設定されている可能性もあるので、ご注意ください。

ご自分の対物賠償の保険金額が無制限だったか不安に思う方は、この機会に確認されてはいかがでしょうか。保険期間の途中でも保険金額の変更(増額)は可能です。

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最終更新日:2017年8月21日
No.8

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