当て逃げの修理代に車両保険は適用される?等級は下がる?

2018年6月6日

スーパーの駐車場に車を停めていて当て逃げされた方がらっしゃいました。

相手(加害者)が分からなければ、当然、車の修理費用は賠償して貰えません。契約している自動車保険の車両保険で車の修理代は補償されるのでしょうか?

また、当て逃げ被害の修理代に車両保険を使用した場合、次契約の等級はどうなるでしょうか?等級が下がり、保険料が上がるのでしょうか?それとも、被害者に非は無いため、等級に影響はないのでしょうか?

今回は当て逃げの事故に対する自動車保険(車両保険)の補償と、当て逃げ被害のダメージを少しでも軽減する方法について解説します。


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1.当て逃げ被害の修理代は車両保険で補償される?

まず、当て逃げされて車両に損害が発生し、修理が必要になった場合、本来であれば、車を当てた加害者がその修理費用を賠償する義務が発生します。しかし、その相手(加害者)が逃げてしまっているので、相手からは修理代を賠償してもらえません。

このような場合、自動車保険に車両保険をセットしていれば、その修理費用が補償されます。ただし、車両保険には、補償範囲の広い「一般条件」と補償範囲を絞った「エコノミー型」があります。当て逃げ事故の損害に関しては、車体車+A、車体車、限定Aなどの「エコノミー型」では補償されず、「一般条件」の車両保険をセットしていないと補償されませんので、ご注意ください。

車両保険の種類については、下記記事で詳細に解説していますので、ご参照ください。
車両保険の補償を絞って保険料節約!?(車両保険の種類)
  事故例/契約タイプ 一般条件 車対車+A 車対車 限定A
他の自動車との衝突
盗難事故





火災・爆発
台風・洪水・高潮
落書・いたずら
物の飛来・落下



電柱等に衝突
自転車との衝突
墜落・転覆
当て逃げ
※相手方の車およびその運転者または所有者が確認できる場合に限り補償(当て逃げで相手方が不明の場合等は補償されません)
 

 

 

2.当て逃げで車両保険を使用すると3等級ダウン

当て逃げ事故の場合、車両保険を使用して修理すると残念ながら次契約の保険継続時に等級は3つダウンします。また、次契約の等級が7等級以上の場合、無事故の場合よりも割引率が低い「事故有の割引率」が3年間適用されます。

保険金が支払われる保険事故には、「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」「ノーカウント事故」の3種類があり、当て逃げ事故は「3等級ダウン事故」に該当します。

自動車保険の等級制度の詳細については、下記記事をご参照ください。
自動車保険等級制度(ノンフリート等級別料率制度)

 

 

 

3.保険料はどの程度上がるのか?

仮に等級が3等級下がり、「事故有の割増引率」が3年間適用された場合、どの程度保険料に影響が出るでしょうか?下記条件で試算してみました。

 

◆試算条件
免許色:ブルー
自動車:自家用軽四輪乗用車
使用目的:日常・レジャー
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害保険:3,000万円
車両保険金額(一般条件):100万円 免責0-10万円
年齢条件:35歳以補償
記名被保険者年齢:35歳

等級20等級(事故有係数適用期間0年)
年間保険料:50,440円

上記試算条件で、3等級ダウン事故が発生したと仮定した場合、以後3年間の保険料推移は下記の通りになります。保険料の違いを分かり易くするため、車両の保険金額は3年間同額で試算しています。尚、「事故有の割引率」を適用する年数を事故有係数適用期間といいます。

 

■1年目
等級
17等級(事故有係数適用期間3年)

年間保険料:82,300円

■2年目
等級
18等級(事故有係数適用期間2年)

年間保険料:79,750円

■3年目
等級
19等級(事故有係数適用期間1年)

年間保険料:77,190円

事故が無かった場合に3年間支払う保険料と事故があった場合に3年間支払う保険料の差は、87,920円にもなります。

上記試算例の通り、当て逃げ事故で車両保険を使用すると大きく保険料が上がります。よって、当て逃げ事故でも少額の修理費用で済む場合は、車両保険を使用せずに自腹で修理した方がいい場合があります。

今回の事例では、仮に修理費が5万円程度であれば、自動車保険の保険料UPと比較すると、自腹で修理した方がいいことになります。

当て逃げ事故にあった場合は、保険会社に事故の報告をし、車両保険を使用するかどうかの判断を相談するようにしてください。保険会社や代理店に依頼すれば、保険を使用した場合と、使用しない場合の保険料比較をしてくれます。
車の少額損害は自動車保険を使用するべきではないのか!?

事故有係数の適用期間の計算方法等、ノンフリート等級別料率制度の詳細については下記記事でご紹介しています。
自動車保険等級制度(ノンフリート等級別料率制度)


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4.なぜ、当て逃げが3等級ダウン?

当て逃げ被害に遭い、車両保険を使用した場合、等級が下がり、保険料を多く払う必要があることに納得できない方が多いと思います。自分には一切の非がないにも関わらず、保険料が上がるということに不条理を感じるのではないでしょうか。

そもそも当て逃げはなぜ「3等級ダウン事故」なのでしょうか?契約者(被保険者)には過失が無いわけですから次契約の等級に影響のない「ノーカウント事故」にしてもいいように感じます。

「当て逃げ」が、他の車との衝突事故として3等級ダウン事故となる理由としては、運転中に他車と衝突した事故の場合と、当て逃げ事故の場合とで車の損傷状況がどちらの事故か判別困難な場合があるからのようです。

ソニー損保のサイトで「当て逃げ事故」が3等級ダウンとなる理由について解説されています。
当て逃げで等級が下がるのは納得できない

仮に当て逃げ事故を「ノーカウント事故」とした場合、自損事故などの「3等級ダウン事故」を起こしたのに当て逃げに遭ったと保険会社に報告し、「ノーカウント事故」にしようとする人も出てくるでしょう。

虚偽の報告をするような人が増えれば、自動車保険制度の公平性の観点からも問題が発生します。

 

 

 

5.当て逃げ事故の被害も「ノーカウント事故」にできる可能性あり

実は、「当て逃げ」で車両保険を使用しても3等級ダウンとならず、事故が無かったことにできる場合があります。「車両無過失事故に関する特約」を付加していた場合でかつ相手が見付かった場合には、車両保険を使用しても次契約の等級に影響しません

具体的には下記のような条件を満たして場合、翌年度の等級がダウンすることはありません。

  • 契約の車以外の自動車(原付含む)との接触または衝突事故(車対車事故)であること。
  • 契約の車の運転者にその事故に関する責任がないこと。
  • 相手自動車の情報(登録番号)と相手自動車の運転者の情報(住所・氏名)が確認できること。
    ※但し、新車特約、車両全損時修理時特約、車両積載動産特約等の保険金を支払う場合は対象外
仮に当て逃げの相手が見付かったとしても、加害者が自動車保険に加入していない等の理由で車の修理費等の損害を賠償して貰えるとは限りません。

しかし、当て逃げ犯が見付かった場合で『車両無過失事故に関する特約』を付帯している場合は、当て逃げ犯が見つからなかった場合とは違い、次年度の等級が下がる「3等級ダウン事故」ではなく、次年度の等級に影響が無い「ノーカウント事故」になる可能性があります。

なお、『車両無過失事故に関する特約』は、商品によっては自動付帯(セット)されていますが、自動付帯(セット)ではなく、オプション扱いの自動車保険もありますので、ご注意下さい

損保ジャパン日本興亜の「THEクルマの保険」や三井住友海上の「GKクルマの保険・家庭用(充実プラン)」、セゾン自動車火災の「おとなの自動車保険」には同特約が自動付帯(セット)されています。

東京海上日動は、同特約はオプション扱いで、契約時に付加(セット)する必要がありますが、特約保険料は年間1,000円程度です(等級等の条件により特約保険料は異なります)。

 

 

 

6.当て逃げ事故は、警察への連絡(被害届)も忘れずに

当て逃げ事故に遭った場合も加害者が見付かることはないとあきらめず、必ず警察に事故の連絡(届出)をするようにして下さい。

当て逃げ犯が警察に出頭する確率はゼロではありません。当て逃げの加害者が出頭し、相手が判明すれることもあるでしょう。

加害者が判明した場合、『車両無過失事故に関する特約』をセットしてれば、車両保険を使って修理しても「ノーカウント事故」にできる可能性があります。

また、ドライブレコーダー(ドラレコ)を車に付けるのも当て逃げ被害のダメージを軽減することに役立ちます。

ドラレコに当て逃げ犯のナンバープレートなどが撮影されていれば、加害者が見付かる可能性があります。当て逃げをするということは、自動車保険(任意保険)に加入していない可能性もあります。

相手に賠償能力がない場合でも『車両無過失事故に関する特約』がセットされていれば、ご自身の車両保険を使用しても「ノーカウント事故」にでき、当て逃げの損害を最小限に食い止めることができます。

 

 

 

まとめ

運転の腕に自信があり、車両保険は「エコノミー型」でいいという方もいますが、当て逃げの被害者になった場合、ご自身の運転の腕とは関係ありません。

「エコノミー型」の車両保険では、当て逃げ被害の修理代は補償されませんので、ご注意ください。

また、「当て逃げ事故」で相手が見付かることは中々ないかもしれませんが、相手が判明した事故でも相手に賠償能力がないというような状況も発生し得ます。そうなると被害者が自分の車両保険で車を修理する必要が発生します。

そのような際に「車両無過失事故に関する特約」は役立ちます。車両保険に自動的にセットされている会社もありますが、自動セットでない場合も保険料はそんなに高くありません。一度、ご自分の自動車保険に特約が付加されているか確認されることをおすすめします。

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最終更新日:2018年3月26日
No.28

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