就業不能保険とは?各社の保障内容を比較

2018年4月29日

病気やケガで働けない場合の収入減少をカバーする就業不能保険をご存知でしょうか?人気芸人やタレントを使ったテレビCMが流れいるので、興味を持っている方も多いと思います。

病気やケガで働けなくなると、生活費だけでなく、住宅ローンや教育費はどうなるのかという心配もあり、保険の必要性を感じる方もいらっしゃると思います。

しかし、就業不能保険は、給付金の支払条件などを理解していないと、後で思っていた保障内容と違うということになりかねません。

今回は、就業不能保険について解説します。生命保険各社の商品比較と保障内容、加入にあたって知っておくべきポイントについてご紹介します。


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1.就業不能保険とは?

就業不能保険とは、病気やケガで長期間働けなくなり、収入が大きく減ってしまったときに、備える商品です。

医療保険やがん保険は入院や手術などの治療費に備えるための商品ですが、就業不能保険は、収入が減ってしまった場合の生活費の補てんや教育費、ローンの支払いに備えることをコンセプトとした商品です。

 

 

 

2.保障内容と保険料

就業不能保険は、保険会社所定の就業不能状態になった場合、就業不能給付金が年金形式で毎月受け取れます。入院状態だけでなく、在宅療養でも給付金の支払対象となります。

例えば、ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険2」の下記契約例であれば、就業不能状態になった場合、就業不能給付金として毎月20万円が最長60歳まで受け取れます。

【契約例】
タイプ:満額(標準タイプA型)
被保険者:男性(30歳)
保険期間:60歳
支払対象外期間:180日
就業不能給付金:20万円
月額保険料:3,496円

就業不能保険 保障図
保障は、短期と長期に分かれているタイプもあり、公的保障である傷病手当金が受け取れる間の給付金を少なくし、保険料を安くしている商品もあります。

例えば、ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険2」の下記契約例であれば、就業不能状態になった場合、最初の1年6ヶ月相当(540日間)は就業不能給付金として毎月10万円が受け取れます。1年6ヶ月(540日)超の場合は、毎月20万円の就業不能給付金を最長60歳まで受け取れます。

【契約例】
タイプ:半額(ハーフタイプB型)
被保険者:男性(30歳)
保険期間:60歳
支払対象外期間:180日
就業不能給付金:20万円
月額保険料:2,910円

就業不能保険(短期・長期)保障図
なお、原則、就業不能保険は、掛け捨てで解約返戻金はありません

 

 

 

3.支払条件は?

就業不能保険の支払条件は厳しいという点には注意が必要です。単に病気やケガで仕事ができないというだけで給付金が受け取れるかというと、そういうわけではありません

例えば、ライフネット生命の支払条件(就業不能状態)は下記のようになっています。

~ライフネット生命HPより抜粋~

就業不能状態とは、以下の入院または在宅療養をしている状態をいいます。

<入院>
病気やケガの治療を目的として、日本国内の病院または診療所において入院している状態。

<在宅療養>
病気やケガにより、医師の指示を受けて、日本国内の自宅等で、軽い家事および必要最小限の外出を除き、治療に専念している状態。
ただし、梱包や検品などの軽労働または事務などの座業ができる場合は、在宅療養をしているとはいいません。

病気やケガで働けなくなる前にしていた仕事ができなくなるというだけでは給付金は受け取れません。上記の通り、軽い仕事ができる状態でも就業不能状態には該当せず、給付金を受け取ることはできません。軽作業しかできなければ、当然、収入が減る可能性が高くなりますが、そのようなことは考慮してくれません。

保険会社所定の就業不能状態でなくれなれば、給付金はストップします。給付金受取前の仕事に復帰できなくても就業不能状態でなくなれば、給付金はストップすることになります。

例えば、給付金受取前は手取りで50万円の仕事をしていた方が、復帰後に手取り20万円程度の仕事しかできないとしても給付金はストップし、その差額も補てんしてくれません。

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4.支払対象外期間

就業不能保険には、就業不能状態になってから一定の支払対象外期間があります。就業不能状態になってもその期間は保障がないということになります。その期間は保険会社によって異なる場合があります。

就業不能保険を販売している主な保険会社の支払対象外期間は下記の通りです。
保険会社名 支払対象外期間
チューリッヒ生命 60日
ライフネット生命 60日または180日(選択可能)
アフラック 60日
ニッセイ(日本生命) 60日
 

 

 

5.うつ病などの精神疾患は保障対象となる?

最近ではうつ病などの精神疾患で会社を休む方も多く、そのような場合に支払対象となるかを気にされる方も多いと思いますが、うつ病などの精神疾患を支払対象にするかは、保険会社ごとに異なります

主な保険会社の場合は下記の通りです。
保険会社名 精神疾患の保障
アフラック ×(精神障害を支払対象としない)
ライフネット生命 ×(精神障害を支払対象としない)
ニッセイ(日本生命) 〇(精神・神経疾患を支払対象とするが、在宅療養は支払対象外)
チューリッヒ生命 〇(ストレス性疾病を支払対象とするが、入院が条件)
上記の通り、うつ病などの精神疾患を支払対象とする保険会社もありますが、入院が条件です。例えば、うつ病で在宅療養しているような場合には支払対象にはならない点に注意が必要です。

 

 

 

6.就業不能保険と所得補償保険との違いは?

就業不能保険と似た商品で、損害保険には所得補償保険があります。どのような違いがあるのでしょうか。

所得補償保険と就業不能保険の大きな違いは、保障(補償)期間です。所得補償保険は、一般的に保険期間が1年間で補償期間も1~2年の短期です。1年ごとに満期がくるので、病気などが原因で保険金を受け取った場合、満期更改(継続)ができない場合もあります。

一方、就業不能保険は、60歳や70歳などの保険期間があり、その間は保障があります。長期の療養が必要な場合には就業不能保険の方が向いています。

 

 

 

7.就業不能時の公的保障は?

民間の保険を検討する際には、公的な保障にはどのようなものがあるのかを確認することが重要です。病気やケガで働けない場合にはどのような公的保障があるのでしょうか?

1)傷病手当金

傷病手当金は、業務外の病気やケガで仕事を休み、給与の支給がない場合に支給されます。給与の支払いがあり、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。

傷病手当金は、サラリーマンの方が加入する健康保険の制度で、一般的に、自営業者の方が加入する国民健康保険には傷病手当金はありません

傷病手当金は、休業4日目から最長で1年6カ月にわたって支給され、1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)が支給されます。
医療保険は不要!?傷病手当金について理解しておくべきポイント

 

2)障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)

国民年金や厚生年金の加入者が、障害認定日(原則として初診日から1年6カ月後)に法令で定める障害の状態に該当している場合に支給される年金です。

第2号被保険者であるサラリーマンの場合には、障害基礎年金と障害厚生年金が支給され、第1号被保険者である自営業者には障害基礎年金が支給されます。
傷病手当金と障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)のイメージ図
 

 

 

8.就業不能保険が不要な方、必要な方

サラリーマンには就業不能保険は不要?

上記の通り、サラリーマンには手厚い公的保障があります。また、就業不能保険は支払条件も厳しいので、就業不能保険の必要性はあまり高くないでしょう。

ただし、傷病手当金や障害年金は、それまでの給与の全額が保障されるわけでもなく、傷病手当金の支給は1年6ヶ月で終了します。

傷病手当金の不足分を補うことと、傷病手当金の支給が終了した後の保障が欲しいという方については、検討する余地があるでしょう。

 

自営業者は、所得補償保険との比較

自営業者の方は傷病手当金がありませんし、障害年金も障害基礎年金しかありませんので、就業不能保険は検討に値するでしょう。ただし、所得補償保険もありますので、どちらにするかは検討する必要があります。

短期の就業不能に備えるのであれば、所得補償保険。長期の就業不能にも備えたいのであれば、就業不能保険の方がいいでしょう。

 

 

 

まとめ

就業不能保険は、ケガや病気で働けなくなっただけでは給付金は支払われません。厳しい支払条件に該当して初めて給付金が受け取れるという点を理解する必要があります。

「事故にあったら・・・」「病気になったら・・・」、と考えれば考えるほど、リスクは沢山あります。

しかし、全てのリスクに保険で対応するのは、現実的ではありません。どうしても心配な部分に的を絞り、後は、貯蓄も準備することが重要です。貯蓄であれば、特定のリスクだけでなく、全てのリスクに対応可能です。
保険と貯蓄を比較、どちらが必要?


 

No.322

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