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バイク保険には人身傷害保険と搭乗者傷害保険のどちらをセットすべき?

バイク保険に加入する際にご自身のケガなどの補償について「人身傷害保険」をセットするか「搭乗者傷害保険」をセットするか悩む方が多いと思います。

どちらをセットするかで保険料が違うのですが、補償内容の違いが理解できず、どちらをセットするか判断できない方もいると思います。
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バイク保険には、搭乗者傷害保険と人身傷害保険のどちらをセットすべきでしょうか?

人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いと、バイク保険には、どちらの補償をセットするべきかについて解説します。

1.人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い

人身傷害保険と搭乗者傷害保険にはどのよな違いがあるのでしょうか?両補償には、補償内容と設定できる補償額(保険金額)に違いがあります。

それぞれの補償内容と、比較した場合の違いについて解説します。

 

人身傷害保険とは?

人身傷害保険とは、事故により運転者や同乗者が死傷した場合に、その過失割合(責任割合)にかかわらず、保険金額を限度に被る損害の実際の損害額(治療費、休業損害、逸失利益、及び精神的損害等)に対して保険金が支払われる補償です。

人身傷害保険で支払われる保険金のイメージ図は、以下の通りです。
人身傷害保険の補償イメージ図

(セゾン自動車火災保険のHPより抜粋)

上記の通り、人身傷害保険は過失割合に関係なく、記名被保険者及びその家族など契約車両に搭乗中の方の治療実費、休業損害(働けない間の収入)、逸失利益等を補償します。

対人・対物賠償責任保険は他人をケガさせた場合や、他人の車等を壊してしまった場合の補償として大切ですが、人身傷害保険は、記名被保険者本人やその家族を守る大切な補償です
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搭乗者傷害保険とは?

搭乗者傷害保険は、人身傷害保険とは違い、契約時に設定した定額の死亡保険金、後遺障害保険金、医療保険金が支払われます。例えば、死亡の場合は1,000万円、後遺障害14級の場合は40万円など、実際の損害額とは関係なく、あらかじめ決められた額の保険金が支払われます。

 

違い①:実費補償か定額補償か

人身傷害保険と搭乗者傷害保険の大きな違いの1つが、治療費用などが実費で支払われるか、ケガなどの程度で決められた定額払いかという違いです。

人身傷害保険は、治療費・休業損害・精神的損害・逸失利益・後遺障害の介護料などが保険金額を上限に補償されます。

しかし、搭乗者傷害保険の場合は、死亡であれば、1,000万円、後遺障害14級であれば、14万円などと、治療費などがどれだけかかったかに関係なく、定額での支払いとなります。

 

違い②:設定できる補償額(保険金額)の違い

設定できる補償額に違いがあります。人身傷害保険は3,000万円~無制限で補償額を決められますが、搭乗者傷害保険の補償額は1,000万円程度が上限となっています。

搭乗者傷害保険は補償額が200万円程度から選べるので、補償額が小さくなる可能性があります。ネットで保険料を試算すると、エコノミープランという形で補償額が最低限しか付いていない場合があるので、注意が必要です。

 

 

 

2.人身傷害保険と搭乗者傷害保険の保険料差

人身傷害保険をセットした場合と、搭乗者傷害保険をセットした場合の保険料差は下記試算例の通りです。

【試算条件】
免許色:ブルー
自動車:自家用二輪自動車(250cc超)
使用目的:日常・レジャー
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
対人賠償責任:無制限
対物賠償責任:無制限
年齢条件:26歳以上
記名被保険者年齢:30歳
証券不発行割引:あり(500円割引)

【人身傷害保険をセットした場合】

人身傷害保険:3,000万円
年間保険料33,770円

【搭乗者傷害保険をセットした場合】

搭乗者傷害:1,000万円
年間保険料19,050円

搭乗者傷害:200万円
年間保険料14,580円

上記の通り、人身傷害保険3,000万円をセットする場合と搭乗者傷害保険1,000万円をセットする場合では年間約14,000円の違いがあります。更に搭乗者傷害保険の補償額(保険金額)を200万円にすると、更に保険料が安くなります。

保険料に2倍以上の差が出るので、保険料だけで比較すると、搭乗者傷害保険の方を選んでしまいそうですが、どちらを選択(セット)すべきでしょうか?

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3.バイク保険には人身傷害保険か搭乗者傷害保険か?

どちらか一方ということであれば、補償が充実している人身傷害保険のセットをおすすめします。

特に、配偶者や子供がいるようなご家族を扶養している方は、人身傷害保険の方がおすすめです。人身傷害保険は、治療費だけなく、休業損害も補償されます。

バイクは事故の際に大ケガをする可能性が高いので、治療に時間がかかる場合があります。例えば、入院が長引き仕事を休むことになった場合、収入が減る可能性がります。そのような場合には、休業損害が補償される人身傷害保険の方がいいことになります。

人身傷害保険の方が保険料が高くなりますが、必要な費用だと考えた方がいいでしょう。

バイク保険に加入したばかりで、等級(割引)が進んでいない間は搭乗者傷害とし、等級が上がり、保険料が下がってくれば、搭乗者傷害保険から人身傷害保険に切り替えるという方法もあります。

 

 

 

4.125cc以下の原付の場合

なお、総排気量が125cc以下の原付に乗っているような場合には、バイク保険以外に自動車保険にファミリーバイク特約をセットするという選択しがあります。

ファミリーバイク特約であれば、ご家族の自動車保険に特約をセットすることが可能です。例えば、父親が所有している車の自動車保険に子供が原付を乗る際の補償であるファミリーバイク特約をセットすることができます。

ファミリーバイク特約の補償範囲は下記の通り広く、未婚の子供であれば、別居していてもファミリーバイク特約の補償範囲に入ります。

例えば、大学に通うために一人ぐらいしている子供が、別居先で原付に乗っている場合、実家の父親の自動車保険にファミリーバイク特約をセットすれば、一人暮らしをしている子供の原付での事故が補償されます。

【ファミリーバイク特約の補償対象者の範囲】

(1) 記名被保険者
(2) 記名被保険者の配偶者(内縁を含む。)
(3) 記名被保険者または、配偶者の同居の親族(父母、子どもなど)
(4) 記名被保険者または、配偶者の別居の未婚の子

ファイリーバイク特約の「人身傷害型」であれば、自動車保険の人身傷害保険と同様の補償が受けられます。
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まとめ

補償内容の違いから人身傷害保険の方が保険料が高くなりますが、いざというときには、補償が充実しているというメリットがあります。

保険料をどの程度負担できるかということはあると思いますが、可能な限り人身傷害保険をセットすることをおすすめします。

なお、保険料の支払いに余裕のある方であれば、「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」をセットで加入するという選択もあります。

搭乗者傷害保険は人身傷害保険と比較して、医療保険金を事故後速やかに受け取れるので、当座の入通院費用として利用できるというメリットがあります。

No.332