国民年金保険料の「未納(滞納)」と「免除」は何が違う?

2018年4月15日

国民年金の保険料納付が苦しいため、保険料が支払えず、「未納(滞納)」の状態になっている方もいらっしゃると思いますが、実は国民年金の保険料には「免除」という制度があることをご存知でしょうか?

保険料を支払わないと「未納」となりますが、申請をし承認されれば、「免除」となります。保険料の「未納」と保険料の「免除」では何が違うのでしょうか?

「未納」の状態で放置する場合のデメリットと、「免除」を申請した場合のメリットについてご紹介します。

※今回の記事内容は、自営業者等、第1号被保険者の方向けの情報です。サラリーマン等の厚生年金に加入している第2号被保険者や第2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)である第3号被保険者の場合には、企業が厚生年金保険料(被保険者負担分+事業主負担分)を納めているので、原則、保険料が「未納」となることはありません。


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1.国民年金保険料の免除制度とは?

国民年金の保険料は、月額16,490円(平成29年度)で、学生や自営業者等の第1号被保険者はその保険料を毎月納付する必要があります。しかし、色々な事情で保険料の支払いが苦しい方もいらっしゃると思います。

そのような場合に保険料の納付が免除される制度があります。具体的には下記の通りです。

国民年金の保険料免除制度とは、所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合などで国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合、申請書を提出し承認されると保険料の納付が免除になる制度です。

 

 

 

2.保険料免除の種類

国民年金保険料の免除は申請すれば、必ず承認されるわけではありません。本人・世帯主・配偶者、各々の所得審査があります。保険料免除には前年の所得によって下記四種類があり、その基準は以下の通りです。

 

①全額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

②4分の3免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

③半額免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

④4分の1免除
前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

尚、失業した場合も申請することにより、保険料の納付が免除となる場合があります。

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3.なぜ、「免除」の手続きが必要か?

前述の通り、国民年金の保険料免除の手続きをせず、保険料を支払っていないと「保険料の未納」という状態になります。免除の手続きをし承認されれば、保険料を支払わなくても「保険料の未納」にはなりません。

一見、両方の状態に違いはないように思えるのですが、実は大きな違いがあります。「免除」の手続きをせず、「未納」の状態にしておくと下記3つのデメリットが発生します。

 

1)「未納」だと老齢基礎年金が受け取れない?

老齢基礎年金を受け取るには受給資格期間が10年間あることが条件になりますが、免除の手続きをせず、未納の状態だと、年金の受給資格期間を満たすことができません。免除の手続きを行えば、保険料免除となった期間は年金の受給資格期間に算入されます。

※当初、平成27年10月に予定していた消費税10%への引き上げによる税収増分を財源として、老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間を25年間から10年間に短縮する予定でしたが、消費税の増税が延期されたため、受給資格期間の短縮化も先延ばしにされていました。しかし、年金受給資格期間を25年から10年に短縮する改正年金機能強化法が平成28年11月に成立し、平成29年8月から受給資格期間は25年から10年に短縮されました。

また、保険料免除期間も年金額の計算の際には、下記の金額が反映されます。
●全額免除:「1/2」が年金額に反映
●4分の3免除:「5/8」が年金額に反映
●半額免除:「6/8」が年金額に反映
●4分の1免除:「7/8」が年金額に反映

つまり、保険料が「未納」だと、老齢基礎年金を受け取るための受給資格期間を満たせず、年金を受け取ることはできません。「免除」の手続きをすれば、免除期間は受給資格期間に算入され、かつ年金の計算の際にも満額ではありませんが、一部反映されます。

例えば、国民年金の保険料を40年間納付した場合、老齢基礎年金は満額の779,300円(平成29年度)を受け取れます。一方、40年間全額免除だった場合、全額免除期間の1/2が年金額に反映するため、389,700円(平成29年度)の老齢基礎年金を受け取れます。

 

2)「未納」だと障害基礎年金が支給されない?

障害基礎年金を受け取るには保険料の納付について次のいずれかの要件を満たしている必要があります。

①初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上
②初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の滞納がないこと

保険料が「未納」の状態だと、上記要件を満たすことができず、障害基礎年金を受け取ることができない可能性があります。

 

3)「未納」だと遺族基礎年金が支給されない?

遺族基礎年金が支給されるには、保険料の納付について以下の要件を満たしている必要があります。

『死亡日の前日において死亡日の月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上』但し、平成38年3月31日以前に65歳未満の人が死亡した場合は以下の要件を満たしていること。『死亡日の前日において死亡日の月の前々月までの1年間に保険料の滞納がないこと』

「未納」の状態だと、上記条件を満たすことができず、遺族基礎年金を受け取ることができない可能性があります。

 

 

 

4.追納も可能

国民年金の保険料を支払う余裕が出た場合、免除されていた保険料を後から納める(追納)も可能です。

追納すると、老齢基礎年金の年金額を増やすことができます。但し、追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られますので、ご注意ください。

 

 

 

まとめ

国民年金の保険料が支払えない場合、「未納」の状態にしているとどのようなデメリットがあるかをご理解頂けたと思います。

免除の申請をしているのと、していないのとでは、大きな違いが発生します。免除の申請は難しいものではないので、保険料の支払いが苦しい場合にはご活用下さい。
保険料免除の申請書と記載例(日本年金機構)

申請書の提出先は、住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口です。申請書を郵送で提出することも可能です。

最終更新日:2017年8月14日
No.263

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