借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の違いとは?どちらが必要?

2018年6月18日

賃貸住宅で火災を発生させてしまった場合、「個人賠償責任保険」に加入していれば、家主に対しての損害賠償義務が補償され、「借家人賠償責任補償特約」は不要ではないのか?というご質問を頂きました。

「個人賠償責任保険」があれば、「借家人賠償責任補償特約(読み方:しゃっかにんばいしょうせきにんほしょうとくやく」は不要なのでしょうか?

そもそも「借家人賠償責任補償特約」と「個人賠償責任保険」には、どのような違いがあるのでしょうか?

まずは、「借家人賠償責任補償特約」と「個人賠償責任保険」の補償内容の概要や、両者の違い、どちらが賃貸住宅には必要なのかについて解説します。



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1.借家人賠償責任補償特約とは?

一般的に賃貸物件については、賃貸借契約で借主に原状回復義務が定められています。賃貸物件を出る際はオーナーに対して原状回復して部屋を返す義務があります。

例えば、失火によって借りている部屋に損害を発生させてしまった場合、借りている人は大屋さんに対して、その損害を賠償する責任があります。

そのような場合に役立つのが、賃貸物件の火災保険(家財保険)に特約としてセットすることができる「借家人賠償責任補償特約」です。

借家人賠償責任補償特約は、賃貸住宅で、火災、破裂・爆発、水濡れ、盗難事故を起こし、貸主に対して法律上の賠償責任を負った場合に補償されます。

保険会社によっては、法律上の賠償責任が発生しない場合でも、貸主との契約に基づいて借用戸室を修理した費用(修理費用)も補償する場合があります。

補償額については、保険会社によって異なる場合があり、限度額が2,000万円までの商品や1億円までという商品もあります。

借家人賠償責任補償特約の補償内容等の詳細については、下記記事をご参照ください。
借家人賠償責任補償特約は必要?


 

 

 

2.個人賠償責任保険とは?

個人賠償責任保険は日常生活における偶然の事故により、他人にケガを負わせたり、他人ものを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合、被害者に支払うべき損害賠償金等を補償するものです。

現在では、個人賠償責任保険単独で販売している保険会社はほとんどありませんが、自動車保険や火災保険、傷害保険の特約として付帯が可能です。また、自転車保険として注目されているのもこの個人賠償責任補償です。

個人賠償責任保険や自転車保険の補償内容等の詳細については、下記記事をご参照ください。
自転車の事故で注目の個人賠償責任保険
自転車保険加入前に確認すべき6つのポイント


 

 

 

3.大家さんへの賠償責任は、個人賠償責任保険では補償されない?

賃貸物件で火災を起こした場合、故意等でなければ、偶然の事故で他人(家主)の部屋に損害を与えたことになるので、個人賠償責任保険で補償されるように思えます。

しかし、個人賠償責任保険(以下、個賠)では、賃貸物件で火災等を起こした際のオーナーへの賠償責任は補償対象外になります。

なぜなら、個賠は本人や家族が他人から預かったり借りたりしている物を壊した場合の事故は補償対象外となっているからです。

つまり、借りている部屋で火災を起こした場合の家主に対しての損害賠償責任は、個賠では補償されないので、火災保険に「借家人賠償責任補償特約」(以下、借家賠)を付帯する必要があります。


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4.賃貸物件には、個人賠償責任保険と借家人賠償責任保険の両方が必要?

賃貸物件に住んでいる場合には、借家賠と個賠の両方に加入していた方がベターです。実際の下記事例を考えて頂ければ、借家賠と個賠の両方が必要な理由が分かると思います。

賃貸マンションに居住中に水道の蛇口を閉め忘れ、自分の部屋と階下の住居を水浸しにしてしまった場合、階下の人への損害賠償責任と自分の部屋の床等の損害を家主に賠償する責任が発生します。

階下の方に対する損害賠償責任は、個賠で補償されます。

また、家主に対する損害賠償責任は借家賠で補償されることになります。


 

 

 

5.失火法が適用されない事故は個人賠償責任保険で補償

火災により隣家を類焼させても重大な過失がなければ、失火法により損害賠償責任は発生しませんが、ガス爆発で近隣の住宅に損害を与えてしまった場合には、失火法の適用はなく、隣家に対しての損害賠償責任が発生します。また、寝たばこ等の重大な過失がある場合の失火についても隣家に対する損害賠償責任が発生します。

ガス爆発や重大な過失がある場合の失火による隣家の損害に対しての損害賠償責任については、個賠で補償されます。

上記のような理由からも個賠と借家賠は両方とも必要といえるでしょう。


 

 

 

まとめ

上記の通り、個賠と借家賠の補償内容は異なります。どちらか一方が必要というわけではなく、両方に加入しておいた方がベターであることは間違いありません。

個賠と借家賠の必要性については、下記記事でも解説していますので、ご参照ください。
なぜ日本では火災保険への加入が必要なのか?


 
最終更新日:2018年6月18日
No.223

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