相続放棄をした場合に発生し得る問題点とは?

2018年4月28日

被相続人(亡くなった方)に多額の借金があった場合や、複数の相続人の中で特定の方に財産を相続させたい場合等に相続放棄を検討することがあると思います。

相続放棄をする際は、放棄後のことを考慮しておかないと、他の相続人に迷惑を掛けたり、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

今回は、相続放棄をした場合に発生し得る問題点とその対策について解説します。相続放棄を検討中の方は参考にして頂ければと思います。

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1.相続放棄とは?

相続放棄とは、被相続人の一切の相続財産を引き継がないという意思表示で、相続放棄した人はもとから相続人ではなかったことになります。相続放棄は、相続が開始されたことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。

後述しますが、「相続分の放棄」は家庭裁判所に申し出る必要はありませんが、「相続放棄」とは、意味が異なります。「相続放棄」と「相続分の放棄」を混同してしまう方が多いので、ご注意ください。

 

 

 

2.マイナスの財産を放棄する際の注意点

被相続人(亡くなった方)に借金等のマイナスの財産があり、相続放棄する際の注意点は、次順位者に相続権が移る点です。上位の順位者が相続放棄すると、マイナスの財産を次順位者が相続することになってしまいます。

相続の順位は?
常に相続人:配偶者
第一順位:子
第二順位:親
第三順位:兄弟姉妹

例えば、被相続人に配偶者と子供が居た場合、相続人は配偶者と子供となります。その配偶者と子供が相続放棄した場合、次順位者の親に相続権が移ります。つまり、借金等のマイナス財産を被相続人の親が背負うことになってしまいます。

よって、被相続人に借入金等のマイナスの財産があり、相続放棄する場合には、次順位者に相続放棄する旨を伝える必要があります。

相続放棄をした場合、下図のように相続権が次順位者に移ります。

相続放棄イメージ図

特に注意が必要なのが、被相続人(亡くなった方)から見て甥姪にあたる方です。被相続人の兄弟姉妹が亡くっている場合、代襲相続人として甥姪に相続権が移ります。甥姪まで相続放棄するように伝えることが重要です。

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3.プラスの財産を放棄する際の問題点

被相続人(亡くなった方)の土地や現金等のプラスの財産を特定の相続人に相続させるために、他の相続人が相続放棄する際にも問題が発生する可能性があります。

例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合で、被相続人の財産を配偶者に全て相続させるために子供2人が相続放棄したとします。すると、亡くなった方に兄弟姉妹がいる場合、配偶者とその兄弟姉妹が相続人となってしまいます。

配偶者に全てを相続させるために行った子供の2人の相続放棄によって被相続人の兄弟姉妹が相続人になり、配偶者と被相続人の兄弟姉妹の間で遺産分割協議が必要になってしまいます。被相続人の配偶者と兄弟姉妹が疎遠の場合、遺産分割協議が難航する可能性もあります。

上記のような問題点の対処方法としては、「相続放棄」ではなく、「相続分の放棄」を行うという方法があります。相続分の放棄は相続放棄より簡単にできます。遺産分割協議の際に相続しない旨の意思表示をすれば良いだけです。

上記事例であれば、配偶者と子供2人の3人で遺産分割協議を行い、全ての財産を配偶者が相続するという旨の遺産分割協議書を作成すればOKです。

尚、被相続人が生前から配偶者に財産を遺したいという意思があるのであれば、遺言を書くことや生命保険に加入し、受取人を配偶者に指定するという方法もあります。

 

 

 

4.「相続分の放棄」の問題点

前項でご紹介した「相続分の放棄」ですが、注意して頂きたい点があります。「相続分の放棄」は、プラスの財産を相続しないという意思表示をするだけで、借金等のマイナスの財産を放棄したとこになはならないという問題点があります。「相続分の放棄」を「相続放棄」と勘違いし、「相続分の放棄」を行うと、プラスの財産だけ放棄したことになり、借金は相続することになります。

つまり、マイナスの財産を相続しない意思表示をするためには、「相続放棄」をする必要があります。

「相続分の放棄」についての問題点については、下記記事で詳細に解説しておりますので、ご参照ください。
「相続放棄」と「相続分の放棄」何が違う?

 

 

 

まとめ

一般の方にとって相続は一生に数回しか経験することはないと思います。よって、相続について疑問点や不安点がある状態を放置すると、後で取り返しのつかない問題が発生する可能性があります。

相続の際に疑問点や不安点があれば、弁護士や行政書士等の専門家に相談することをおすすめします。

 

No.302

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相続

Posted by 保険FP