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生命保険の受取人は変更できる?複数人の指定は可能?

生命保険の受取人は変更できるのか?」「生命保険の受取人は複数人の指定が可能か?」生命保険の死亡保険金受取人に関してよく頂く質問です。

上記の質問以外にも生命保険の受取人について押さえておくべき下記のようなポイントがあります。

  • 生命保険の受取人に他人を指定できるのか?
  • 生命保険の死亡保険金は相続財産ではない!?
  • 生命保険の受取人が「法定相続人」となっている場合の問題点
  • 生命保険の受取人の確認・見直しの重要性

生命保険の受取人について知っているのと知らないのとでは、大きな違いが出るポイントがあり、ポイントを押さえていないと、税金を余分に支払うことになるなど、不利益を被る可能性があります。

生命保険の保険金受取人について知り、適切な方に適切な形で、死亡保険金を渡せる契約にして頂ければと思います。

1.生命保険の受取人は契約後も変更できる

生命保険の保険金受取人は、契約の際に一度指定すると、簡単には変更できないと勘違いされている方もいますが、保険会社所定の手続きを行えば簡単に変更できます

また、受取人の変更は何度でも可能です。

受取人の変更手続きは契約者が行うことになりますが、被保険者の承諾が必要です。受取人の変更時に受取人の承諾も必要と勘違いされている方もいますが、受取人の承諾は不要です。

尚、遺言での受取人変更も可能です。

受取人を変更すると保険金に課税される税金が異なる場合があります。同じ保険金額を受取人が受け取っても、課税される税金によって税額が大きく異なる場合がありますので、ご注意ください。
死亡保険金に課税される税金

契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)によって課税される税金は、下表の通りになります。

税金の種類 契約者 被保険者 受取人
相続税(注1 A(例:夫) A(例:夫) B(例:妻)
贈与税(注2 B(例:妻) A(例:夫) C(例:子)
所得税(注3 B(例:妻) A(例:夫) B(例:妻)

(注1 相続税法 第3条1項1号、相続税基本通達5-5-(1)
(注2 所得税法 第34条
(注3 相続税法 第5条1項 相続税施行令 第1条の5、相続税基本通達5-5-(2)

 

 

 

2.生命保険の受取人に他人(第三者)は指定できない

保険金受取人に他人である第三者を指定できるかとの質問もよく頂きますが、第三者を死亡保険金の受取人に指定することはできません

保険金詐欺等のモラルリスクの観点から保険金受取人に指定できる方の範囲は、原則、「被保険者の戸籍上の配偶者または2親等内の血族」に限定されています(3親等内の親族を指定できる保険会社もあります)。
死亡保険金受取人は他人でも指定できる?

但し、条件を満たせば、内縁(事実婚)の配偶者同性のパートナーを受取人に指定することも可能です。

内縁の妻(夫)や同性のパートナーには相続権がありませんので、保険金の受取人に指定することにより財産を遺すことが可能です。遺言の代替として生命保険を活用して頂くこともできます。
内縁(事実婚)の妻に相続権はない?|生命保険の受取人に指定できる?

 

 

3.生命保険の受取人は複数人の指定が可能

「生命保険の死亡保険金受取人は1人しか指定できないのですか?」というご質問を頂くことがありますが、そんなことはありません。死亡保険金受取人は1契約で複数人指定することも可能です。

例えば、配偶者と子供がいる場合、下記のような受取人の指定が可能です。

配偶者:50%
子 供:50%

上記のように保険金の受け取り割合を決め、1契約で複数人の受取人を指定することも可能です。

また、契約後に1人の受取人から複数人の受取人に変更することも可能です。例えば、下表のような受取人の変更が可能です。

生命保険契約時の受取人 変更後の受取人
配偶者:100% 配偶者:50%
子 供:50%

保険金の受け取り時には、複数人の受取人の代表者に一括で保険金を支払う保険会社と、受取人一人ひとりに保険金を支払う保険会社があります。

尚、保険金を1人に受け取らせて、他の家族で分割してもらう予定という方がいますが、その考え方には問題があります。例えば、配偶者と子供が2人いて、全ての保険金を配偶者に受け取らせ、配偶者から子供2人に保険金を分けるという考え方です。
死亡保険金を複数人に受けとらせる場合に注意すべき6つのポイント

配偶者が保険金を受け取り、その後、子供に保険金を分けると、それは贈与になり、贈与の額によっては、贈与税が課税されます。

上記事例で子供にも保険金を受け取らせたいのであれば、1契約で複数人の保険金受取人を指定するか、受取人ごとに複数の契約をする方が安心です。

 

 

 

4.生命保険の死亡保険金は相続財産ではない!?

受取人が受け取った死亡保険金は民法上の相続財産ではなく、受取人固有の財産とされています。よって、受け取った保険金は、遺産分割の対象外の財産となり、相続人間で分割する必要はありません。

特定の方に財産を遺すためには、遺言を書く必要があります、しかし、生命保険であれば、遺言を書かなくても受取人に指定することにより、特定の方に財産を遺すことが可能です。

また、死亡保険金は受取人固有の財産ですので、相続放棄をしても受け取ることが可能です。被相続人(亡くなる方)に借入金が多く、相続人が相続放棄を行う可能性がある場合でも、生命保険に加入していれば、保険金額分の財産を遺族に残すことができます。

尚、死亡保険金は、民法上は相続財産ではなく、受取人固有の財産とされていますが、税法上はみなし相続財産として相続税の課税対象となります。

 

 

 

5.生命保険の受取人が「法定相続人」となっている場合の問題点

通常、生命保険契約において、特定の方が死亡保険金受取人に指定されていますが、まれに死亡保険金受取人が「法定相続人」となっている場合があります。

死亡保険金が「法定相続人」となっている場合、保険金は被保険者(保障の対象者)の法定相続人が受け取ることになります。

例えば、被保険者の法定相続人が配偶者と子供2人であれば、保険金の受取人は左記法定相続人の3人になります。

 

・受取人が「法定相続人」となっている場合の保険金受取割合は?

保険金受取人が「法定相続人」となっている生命保険契約の場合、受け取る保険金の割合はどうなるのでしょうか?

法定相続人で等分するのでしょうか?それとも法定相続分でしょうか?

原則は、法定相続分で各相続人が受け取ることになります。例えば、被保険者(保障の対象者)が亡くなることにより、1,000万円が受け取れる生命保険契約の場合、法定相続人が配偶者と子供2人であれば、それぞれの方が受け取る保険金は以下の通りになります。

配偶者:500万円(2分の1
子供A:250万円(4分の1
子供B:250万円(4分の1

受取人が「法定相続人」となっていると、上記のような受け取り方になってしまいます。よって、特定の方に保険金を受け取らせたいのであれば、死亡保険金受取人を「法定相続人」から保険金を受け取らせたい特定の方に変更しておく必要があります。

 

 

 

6.受取人の確認・見直しの重要性

契約している生命保険の受取人はどなたになっているでしょうか?生命保険を契約した際に受取人を指定して、それ以降、確認していないというような場合は、確認されることをお勧めします。

例えば、結婚前に契約した生命保険の受取人が両親になっていて、結婚後に受取人の変更を忘れているような場合、問題が発生する可能性があります。
結婚したら独身時代に加入した生命保険の見直しが必要?

上記の通り、生命保険の保険金は受取人固有の財産で、遺産分割の対象外となります。よって、誰に保険金を受け取らせるかは重要です。保障内容や保険金額とともに受取人は定期的に確認した方がいいでしょう。

 

・生命保険の受取人は子供にすべき?

子供が小さい頃に生命保険に加入すると配偶者を受取人にする方がほとんどだと思います。しかし、契約時の受取人は配偶者がベストと思っていても時が経てば、受取人を他の方に変更した方がいいこともあるでしょう。

例えば、配偶者にも一定の財産がある場合、被保険者(保障の対象者)が亡くなって困るのは子供かもしれません。そのような場合には、受取人を配偶者から子供に変更するということも考えられます。

仮に、保険金を配偶者が一旦受け取り、子供にその保険金を渡すとなると、それは配偶者から子供への贈与となり、贈与の額によっては、贈与税が課税されます。

死亡保険金をどなたに受け取らせるのが最適かは定期的に確認することが重要です。

但し、先述の通り、契約者、被保険者、受取人に誰が指定されているかによって、保険金に課税される税金の種類が異なりますので、注意が必要です。

 

 

 

まとめ

受取人は一度指定すると、変更ができないと勘違いされている方もいますが、契約後に変更することも可能です。

「生命保険の受取人は複数人を指定することもできる」や「生命保険の死亡保険金は相続財産ではない」などのポイントを押さえ、適切な方に適切な金額の保険金が渡るようにして頂ければと思います。

また、保険金を受け取る方によって、相続税額が異なる場合があります。保障内容の見直しと同様に保険金受取人についても定期的に見直し(変更)の必要性を確認することが重要となります。
死亡保険金に対する相続税は保険金の受け取り方で異なる?

最終更新日:2019年3月2日
No.296

保険FP: