死亡保険金を複数人に受けとらせる場合に注意すべき6つのポイント

2018年6月18日

定期保険や終身保険などの生命保険に加入する際に死亡保険金の受取人を指定しますが、受取人は複数人を指定できることをご存知でしょうか?

死亡保険金を一人ではなく、複数人に受け取らせたいという方もいると思いますが、そのような場合に注意すべてきポイントがあります。

今回は、死亡保険金を複数人に受けたらせたい場合に気を付けるべき点について解説します。相続対策などを検討する際に参考について頂ければと思います。


スポンサーリンク

1.死亡保険金受取人は複数人を指定できる

冒頭でご紹介した通り、生命保険の死亡保険金受取人には、複数人を指定することができます。保険金の受取割合が100%になるように受取人ごとの受取割合を決めます(新契約の申込時には、チューリッヒ生命のように受取人を1名しか指定できない保険会社もあります)。

保険金の受取割合例
配偶者:50%
子1:25%
子2:25%

 

2.受取人指定時に注意すべきポイント

複数人の受取人を指定する際に注意すべきポイントがあります。保険会社の保険金支払方法です。

受取人を複数人指定した際、それぞれの受取人に対してどのように保険金を支払うかが下記の通り保険会社によって異なる場合があります。

①受取人の代表者に保険金全額を支払う
②受取人それぞれに保険金をを支払う

生命保険の保険金は民法上の相続財産ではなく、受取人固有の財産とされています。よって、保険金は遺産分割協議の必要がなく、受取人単独で請求手続きが可能という大きなメリットがあります。しかし、①の方法だと、保険金請求時に遺産分割協議のような非常に面倒な手続きが必要になります。

受取人の代表者に保険金全額が支払われる場合、原則下記のような手続きが必要となります。

①受取人の代表者を決める
②他の受取人はその代表者で了承した旨の書類に署名、実印を押印(印鑑証明
を添付)し、保険会社へ提出

③保険会社より代表者の口座にまとめて保険金が振り込まれる
④代表者が割合に応じて他の受取人に配分

上記の通り、受取人固有の財産とされている死亡保険金が、遺産分割協議と同じような手続きを経ないと受け取ることができなくなってしまします。また、保険会社は受取人代表者に保険金を支払った後は、契約の受取割合どおりに受取人代表者が他の受取人に保険金を分けたのかについては 関知しません。

スポンサーリンク



 

 

 

3.契約を分けておくと安心

保険金を代表者に支払う形式の生命保険会社で契約する場合には、契約を複数に分ける方法があります。

例えば、下記のような生命保険契約をするとします。

契約例①
保険金額:2,000万円
受取人:配偶者(50%) 子1(25%) 子2(25%)


上記の契約例①を下記契約例②のように分けます。

契約例②
契約Ⅰ
保険金額:1,000万円
受取人:配偶者

契約Ⅱ
保険金額:500万円
受取人:子1

契約Ⅲ
保険金額:500万円
受取人:子2


上記のように契約を分けておけば、それぞれの契約の死亡保険金は、それぞれの受取人が別々に請求できます。

ただし、契約を分ける方法には、デメリットが1つあります。生命保険契約には高額割引がある会社があり、保険金額が高額になるほど、保険料が安くなります。よって、契約を分けることにより、高額割引が適用されず、1契約で契約する場合と比べて、複数契約にする場合には保険料負担が大きくなる可能性があります。

高額割引の事例
商品:終身保険
被保険者:50歳男性
保険料払込期間:70歳

保険金額:1,000万円
月額保険料:41,700円

保険金額:5,000万円
月額保険料:206,550円


上記の通り、1,000万円の終身保険を5契約に分けた場合、41,700×5=208,500円となり、5,000万円の終身保険を契約した場合に比べて月額で約2,000円割高な保険料を支払うことになります。

 

 

 

4.1人が保険金を受け取って他の家族などに渡すと・・・

保険金受取人の話をすると、1人に保険金を全て受け取らせて、他の家族に分けさせるということを考えている方がいます。

例えば、配偶者に死亡保険金を全額受け取らせ、受け取った後に子供に保険金を分けるということですが、この考え方には大きな問題があります。

実は、保険金を1人が受け取った後に他の家族などにその保険金を分けた場合、その分けた保険金は贈与になり、贈与税の課税対象になります。死亡保険金は受取人固有の財産なので、受け取った時点で受取人の財産となります。それを分けると贈与するということになってしまいます。

また、複数人に分けさせるつもりが、1人が受け取り、その他の家族などに分けない可能性もあります。

 

 

 

5.契約後に受取人を複数人に変更することも可能

受取人を複数人に指定するのは、契約時だけでなく、契約後も可能です。また逆に複数人の受取人から受取人を1人に変更することも可能です。

受取人変更時には、受取人の承諾は必要ありません。契約者と被保険者の承諾があれば、受取人の変更が可能です。

 

 

 

まとめ

生命保険の契約の際には、受取人に注目される方は少ないかもしれません。複数人の受取人を指定したい場合には、保険会社が受取人それぞれに保険金を支払うのか、代表者に支払うのかを確認し、必要であれば、契約を分ける対策をとって頂ければと思います。

死亡保険金受取人については、下記記事で解説していますので、ご参照ください。
死亡保険金受取人に関して勘違いが多い4つのポイント

 

No.314

スポンサーリンク