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単独で加入できる地震補償保険リスタ|地震保険との違いとは?

地震保険に加入するには、火災保険に加入することが条件となります。
地震保険について抑えておくべき5つのポイント

しかし、火災保険に加入しなくても、地震に対する補償を準備する方法があります。今回は火災保険に加入せずに地震に対する補償を準備する方法をご紹介します。

地震保険の保険金額(補償額)は火災保険の50%まで、かつ、建物で5,000万円と上限が決まっていますが、今回ご紹介する地震補償保険(リスタ)を活用すれば、地震保険の補償に上乗せで補償を追加することが可能です。

地震補償保険(リスタ)を活用すれば、火災保険に加入せず、地震の補償を準備できるというメリットがありますが、地震補償保険(リスタ)に加入する際には、地震保険との違いやデメリットについて確認しておくべきポイントがいくつかあります。

1.単独で加入できる地震補償保険(リスタ)とは?

冒頭でご説明した通り、地震保険に加入するには火災保険への加入が必要です。地震保険単独での契約はできません。しかし、SBI少額短期保険の「地震補償保険Resta(リスタ)」であれば、火災保険に加入せず、単独で契約することが可能です。

半壊以上の損害で最大900万円の補償を受けることができます。

 

 

 

2.地震補償保険(リスタ)の補償内容は?

Resta(リスタ)への加入は居住用の建物を所有していることが条件で、賃貸物件や店舗専用(店舗併用住宅は加入可能)の建物、別荘は加入できません。また、新耐震基準を満たした建物であることが条件です。

Resta(リスタ)には家財の補償はありません

※新耐震基準とは、1981年(昭和56円)6月1日以降に「建築確認」を受けた建物。または耐震改修によって同時点の新基準を満たした建物。

 

1)補償対象

補償対象は、地震を原因とする下記のような損害です。

●倒壊
●火災
●地崩れ・土砂災害
●津波・流出
●地盤沈下・液状化
●噴石災害

 

2)保険金額(補償額)

保険金額(補償額)は、300万、500万、600万、700万、900万の5タイプで、世帯人数によって選べる補償額が決まっています。

 

3)保険金支払方法

Resta(リスタ)の保険金支払い方法も地震保険と同様に実際の損害額が保険金として支払われる実損払いではありません。地方自治体が調査し発行する 「り災証明書」の被害認定に基づいて、下記金額を支払います。

全壊:補償額の満額
大規模半壊:全壊の場合の2分の1
半壊:全壊の場合の6分の1

例)補償額タイプ300万円の場合の保険金支払例
全壊:300万円
大規模半壊:150万円
半壊:50万円

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3.地震補償保険(リスタ)と地震保険との比較

地震の損害を補償する点は地震保険と同じですが、地震補償保険Resta(リスタ)と地震保険には違いがあるのでしょうか?

地震保険は、民間の保険会社だけでなく、政府が再保険を通じて関与する官民一体の制度となっています。一方、地震補償保険Resta(リスタ)は、民間の保険会社(少額短期保険会社)が販売する商品です。この点が一番大きな違いです。

その他の点については、下記のような違いがあります。

 

1)建物のみで最大900万円までの補償

地震保険は火災保険の保険金額の50%までで、建物5,000万円、家財1,000万円までとなっています。

一方、Resta(リスタ)は建物のみの補償で、最大900万円までの補償となっています。

 

2)一部損壊は補償対象外

地震保険は、「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」の4区分で保険金を支払いますが、Resta(リスタ)は「全壊」、「大規模半壊」、「半壊」の3区分です。地震保険では補償対象となる「一部損」は補償対象外となり、半壊以上が補償対象となります。

 

3)保険料控除の対象外

地震保険の保険料は保険料控除の対象となりますが、Resta(リスタ)の保険料は控除の対象にはなりません。Resta(リスタ)の保険料についても関係省庁に地震保険料控除の対象になるよう働きかけているようです。

地震保険料控除については、下記記事をご参照ください。
損害保険の保険料控除

 

4)保険期間は1年の自動更新

地震保険は火災保険の保険期間にもよりますが、1年~5年の間で契約することが可能です。
Resta(リスタ)の保険期間は1年で、満期がきたら自動更新されます。

 

5)少額短期保険業者

SBIリスタ少額短期保険はその名前から分かる通り、少額短期保険業者です。少額短期保険業者が引き受けた契約は保険契約者保護機構(セーフティーネット)の対象外となっています。つまり、少額短期保険会社が破たんした場合の契約者保護の仕組みがありません

一方、地震保険は損害保険契約者保護機構の補償対象です。仮に契約の保険会社が破たんした場合でも地震保険の補償は削減されることはなく、損害保険契約者保護機構が100%補償します。
保険、共済、少額短期保険は何が違う?

 

 

 

4.地震補償保険(リスタ)と地震保険の保険料比較

地震補償保険(リスタ)の保険料は地震保険と比べてどの程度違うでしょうか。試算してみました。

木造の場合の保険料の違いは下記の通りです(2018年12月現在)。木造の場合は、Resta(リスタ)の方が地震保険に比べて2倍以上の保険料です。

地震保険
所在地:大阪府
構造:木造(ロ構造)
保険金額:500万円
年間保険料10,700円(建築年割引き)

Resta(リスタ)
所在地:大阪府
構造:木造
保険金額:500万円
年間保険料22,500円

 

鉄筋コンクリート造りの場合の保険料は下記の通りです。Resta(リスタ)は地震保険の約3倍超の保険料です。

地震保険
所在地:大阪府
構造:鉄筋コンクリート(イ構造)
保険金額:500万円
年間保険料5,950円(建築年割引き)

Resta(リスタ)
所在地:大阪府
構造:鉄筋コンクリート
保険金額:500万円
年間保険料21,110円

他地域でも試算してみましたが、やはりResta(リスタ)の方が数倍高い結果になります。

 

 

 

5.地震補償保険(リスタ)の活用方法と注意点

地震補償保険(リスタ)にはどのような活用方法があるのでしょうか?地震補償保険(リスタ)の活用方法と活用時の注意点について解説します。

 

・地震保険の上乗せとして活用

地震補償保険(リスタ)と地震保険のイメージ図
(出典:SBIリスタ少額短期保険

地震保険の保険金額(補償額)は火災保険の50%まで、かつ、建物で5,000万円と上限が決まっていますので、その上乗せとして地震補償保険(リスタ)は活用できます。

ただし、地震保険と地震補償保険(リスタ)は補償内容が異なります。地震保険は、「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」の4区分で保険金を支払います。

一方、Resta(リスタ)は「全壊」、「大規模半壊」、「半壊」の3区分の保険金支払いです。よって、「一部損」の場合には、地震保険の保険金は受け取れますが、リスタの保険金は受け取れません。

 

・火災保険の必要性を感じない場合

地震保険は、火災保険に加入していないと契約できませんが、地震補償保険(リスタ)は火災保険に加入しなくても単独で契約が可能です。

ただし、地震補償保険(リスタ)の保険料は地震保険料控除の対象外というデメリットと、地震保険に比べて保険料が高い点に注意が必要です。

上記保険料試算例の鉄筋コンクリート造り(T構造)の建物(保険金額1,000万円)で、ある保険会社の火災保険に加入すると保険料は年間7,270円です。火災保険と地震保険の保険料を合わせて年間13,220円です。

一方、地震補償保険(リスタ)の保険料は21,110円なので、火災保険に加入せずにリスタを契約するよりも、火災保険に加入して地震保険を契約した方が安くなります。

また、日本では近隣から火が出て他の建物や家財に燃え広がっても、原則、火元の方に賠償義務は発生せず、火元以外の方も自己負担で建物や家財を修復する必要があります。よって、自身では火事は絶対出さないという方でも火災保険の必要性は高くなります。

火災保険の保険料がムダで、地震の補償だけ欲しいという場合でも、火災保険の必要性などを考慮して、火災保険と地震保険のセット加入の検討もおすすめします。
なぜ日本では火災保険への加入が必要なのか?

 

 

 

まとめ

地震補償保険(リスタ)の保険料は高いですが、地震保険や共済が火災保険の50%までの補償なので、その補完として利用することができます。また、火災保険の必要性を感じないが地震の補償は必要と考える方には火災保険を契約せずに単独で契約できるメリットがあります。

しかし、地震補償保険(リスタ)の保険料は保険料控除の対象にならないことや、補償は「半壊以上」の3区分しかないなどのデメリットもあります。

メリットとデメリットを確認し、地震保険との比較も考慮して加入を検討していただければと思います。

最終更新日:2018年12月18日
No.19