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車両保険の免責金額(自己負担額)を設定して保険料節約!

車両保険は免責金額(自己負担額)を設定する必要がありますが、この免責金額(自己負担額)の設定内容によって保険料は変わります。

免責金額(自己負担額)を大きく設定すると保険料は安くなるメリットがありますが、事故の際には自己負担額が大きくなるデメリットもあります。車両保険の免責金額(自己負担額)の設定でどの程度の保険料節約につながるのでしょうか?

今回は車両保険の免責金額(自己負担)設定についてご紹介します。免責金額を上手に設定し、保険料を節約して頂ければと思います。

1.免責金額とは?

免責金額とは、保険金の支払いの際に発生する自己負担金額のことです。車両保険では、事故の際には修理費から免責金額(自己負担額)を差引いた金額が保険金として支払われます。

 

【車両保険金支払例】
損害額:30万円
免責金額:5万円
30万-5万=25万円(支払保険金)

ただし、全損の場合には免責金額(自己負担額)は差し引かれません。

また、車同士の事故で事故相手に過失がある場合、相手からの賠償金で免責金額(自己負担額)が充当され、下記事例のように自己負担が発生しない場合があります。

 

【事故例】
A車とB車が事故を起こし、下記のような損害が発生。

A車の損害額:50万円
過失:A車80%:B車20%

【A車の契約】
車両保険:100万円
免責金額:10万年

上記事例の場合、A車は事故相手のB車から損害額(50万円)の20%(B車の過失割合)である10万円の賠償金を受け取れるので、その賠償金10万円でA車の車両保険の免責金額(自己負担額)である10万円が充当されます。残りの40万円がA車の車両保険から支払われます。つまり、A車の自動車保険契約では自己負担額は発生しないことになります。

 

 

 

2.車両保険の免責金額の設定方法

車両保険の免責金額の設定方法には、「定額方式」と「増額方式」があります。

 

1)「定額方式」とは?

「定額方式」とは、免責金額を事故回数に関わらず同額に設定する方式です。事故を何回起こしても免責金額は変わりません。

 

2)「増額方式」とは?

「増額方式」とは、保険期間内での1回目の事故と2回目以降の事故で異なる免責金額を設定する方式です。契約期間が1年超の長期契約の場合は、保険年度ごとに車両事故の回数を数えます。

【増額方式の例】

免責金額「0-10万」
1回目の事故の場合、免責金額(自己負担額)はなし、2回目以降の事故の場合、免責金額(自己負担額)は10万円となります。

30万円の損害の場合、1回目の事故と2回目以降の事故では下記のように保険金の支払額が変わります。

●1回目の事故
保険金:30万円-0万円(自己負担額)=30万円

●2回目以降の事故
保険金:30万円-10万円(自己負担額)=20万円

 

 

 

3.車体車免ゼロ特約とは?

免責金額(自己負担額)を0(ゼロ)以外で設定しても車との事故の場合は自己負担額が発生しない「車体車免ゼロ特約」という特約があります。事故相手が車で所有者等が確認できれば、自己負担額なしで車両保険を使用できます。

具体的な特約の内容は下記の通りです。

保険期間中の1回目の車両事故が他の車との衝突・接触事故であり、相手方の車の登録番号等と、その運転者または所有者が確認できる場合にかぎり、免責金額を差引かずに保険金が支払われる特約です。「車体車免ゼロ特約」をセットしても単独事故や当て逃げなどの場合は自己負担額が発生しますので、ご注意ください。

「車体車免ゼロ特約」は全ての免責金額に付加できるわけではありません。例えば、ソニー損保や三井ダイレクト損保の場合、免責金額の設定が「5-10万」の場合に当該特約を付帯できます。

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4.保険会社によって異なる免責金額

保険会社によって設定できる車両保険の免責金額(自己負担額)は異なります。主な保険会社の車両保険の免責金額は以下の通りです。

 

損保ジャパン日本興亜
定額方式:0万、5万、10万
増額方式:「0-10万」、「5-10万」

東京海上日動
定額方式:0万、3万、5万、7万、10万、20万
増額方式:「0-10万」、「3-10万」、「5-10万」
※二輪自動車等は増額方式は設定できない等の制約があります。

ソニー損保
定額方式:10万
増額方式:「0-10万」、「5-10万」

アクサダイレクト
定額方式:10万、30%(「車体車+A」のみ)
増額方式:「0-10万」、「5-10万」、「7-10万」

三井ダイレクト損保
定額方式:5万、10万、15万
増額方式:「0-10万」、「5-10万」

 

上記の通り、設定できる免責金額には保険会社によってかなり違いがあります。

 

 

 

5.保険料比較

車両保険の免責金額(自己負担額)の設定の仕方でどの程度保険料が変わるのかを試算してみましたので、下記をご参照下さい。

 

試算条件(平成27年5月現在)
自動車:自家用軽四輪乗用車
等級:14等級
事故有係数適用期間:0年
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
車両保険金額:100万円
人身傷害保険:3,000万円
年齢条件:35歳以上補償
記名被保険者年齢:30~39歳

免責金額(自己負担):0万円
年間保険料:69,490円

免責金額(自己負担):3万円
年間保険料:60,260円

免責金額(自己負担):5万円
年間保険料:57,180円

免責金額(自己負担):10万円
年間保険料:51,610円

免責金額(自己負担):0-10万円
年間保険料:67,000円

免責金額(自己負担):5-10万円
年間保険料:56,890円

「定額方式」の『免責金額0万円』と『免責金額3万円』では、年間で約9,000円もの保険料差が発生します。また、「増額方式」の『免責金額0-10万円』と『免責金額5-10万円』では、年間で約1万円もの保険料差が発生します。上記の試算例からも分かる通り、車両保険の『免責金額0万円』は保険料が高くなるように設定されていますので、保険料の観点から考えると、免責金額を3万円や5万円に設定しておくと節約につながります。
 

 

まとめ

東京海上日動は免責の設定方法に幅があり、定額方式の免責3万、7万や増額方式の「3-10」が設定出来ます。色々と免責金額を設定し、保険料と許容できる自己負担額を選ぶことが可能です。

免責金額を0万以外に設定する際に保険期間内に2回以上事故を起こす可能性が低いと考えるなら、増額方式の「3-10」や「5-10」がお得と考えることも出来ます。

自己負担を極力避けたい場合でも定額方式の免責0万円とするよりも、増額方式の「0-10万」とした方が上記試算例では、保険料が年間で2,000円も節約できます。

最終更新日:2017年6月23日
No.37