岩田教授がダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機と指摘|乗客の下船で新型肺炎の感染が拡大しないか?

2020年3月15日

横浜港沖に停泊中のダイヤモンド・プリンセスの乗客らの下船が2020年2月19日から始まりました。

下船が始まる前日の2月18日に感染症の専門家である神戸大学の岩田先生が、動画をUPし、クルーズ船内は悲惨な状況で、COVID-19製造機と指摘しました。

本当に乗客を下船させても大丈夫なのでしょうか?新型コロナウイスの感染が日本国内に拡大することにならないのでしょうか?

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新型コロナウイルス(COVID19)の集団感染が起きたクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスとは?

クルーズ船のダイヤモンド・プリセンス号は、2020年1月20日に横浜を出港しましたが、状況の中に新型コロナウイルス感染者がいることが判明したため、下記の通り、横浜港で足止めされることになりました。

乗客らは感染者が確認された2月5日から健康観察期間の14日間、客室で足止めされていました。

2020年1月20日に横浜を出発するクルーズに参加し、1月25日に香港で下船した乗客が2019新型コロナウイルスに感染していることが判明した。

当初2月4日横浜帰港の予定であったが、日程を早めて3日に横浜に戻り、2月4日に横浜港沖にて273名に再検疫を行った結果、10名に陽性反応があると判明、病院に収容された。

2月5日の早朝まで船内での行動は制限されておらず、またショーなどのイベントも通常通り開催していた。

2月5日早朝以降、症状が発生していない乗員・乗客合わせて約3,700人は14日間、船内で待機することとなった。

(出典:ウィキペディア(Wikipedia

当初は約3700人いた乗客乗員のうち、感染確認されたのは計542人にも上ります。17日正午の時点では、3100人の乗員と乗客が残っています。

2020年2月20日時点で、更に79人の感染が確認されています。感染者数は705人となりました(2020年2月20日追記)。

 

 

ダイヤモンド・プリンセス号から乗客の下船開始

2020年2月19日10時30分から乗客の下船が始まりました。高齢者を中心とした乗客らから下船が始まり、予定期間は2月21日までの3日間です。

初日(19日)の対象者は約500人で、ウイルス検査で陰性が確認されている乗客です。

下船した乗客は、クルーズ船の運航会社が用意バスで、横浜駅などのターミナル駅に搬送された後、公共交通機関で帰宅することになります。また、外出制限なども求められません。

2020年2月19日に443人の乗客が下船しました。

乗客は公共交通機関で帰宅し、帰宅後も行動制限はありません。国が健康状態を定期的に聞き取りします。

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岩田健太郎・神戸大教授が動画で、ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機と指摘

2020年2月18日にダイヤモンド・プリンセス内に入った感染症を専門とする岩田健太郎・神戸大教授が18日夜に動画を公開しました。

動画で岩田先生は、クルーズ船内は「ものすごい悲惨な状態で、心の底からこわいと思った」と語り、「ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機」としています。

岩田先生の動画によると、クルーズ船内は非常に悲惨な状態です。悲惨な状況をTwitterで下記のように綴っています。

アフリカのエボラや中国のSARSなど、色々な感染症に立ち向かってきた岩田教授が、動画の中で下記のように語っています。

アフリカに居ても中国に居ても怖くなかったわけですが、ダイアモンドプリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました。これはもうCOVID-19に感染してもしょうがないんじゃないかと本気で思いました

更に、ダイヤモンド・プリセンス内は、危険なレッドゾーンと安全なグリーンゾーンがぐちゃぐちゃになっていると指摘しています。

レッドゾーンとグリーンゾーンというんですけど、ウイルスが全くない安全なゾーンとウイルスがいるかもしれない危ないゾーンというのをきちっと分けて、レッドゾーンでは完全にPPE(個人用防護具)という防護服をつけグリーンゾーンでは何もしなくていいと、こういうふうにきちっと区別することによってウィルスから身を守るというのは我々の世界の鉄則なんです。

ところが、ダイヤモンド・プリンセスの中はグリーンもレッドもグチャグチャになっていて、どこが危なくてどこが危なくないのか全く区別かつかない。

で、クルーの方もN95をつけてみたりつけなかったり、あるいは熱のある方がですね、自分の部屋から出て歩いて行って医務室に行ったりするっていうのが通常で行われているということです。

岩田先生は、ご自身の感染も心配され、ご自身を隔離して診療も休んで家族とも会わずに動画を撮影されたそうです。

岩田健太郎・神戸大教授の略歴は、下記の通りです。

1997年島根医科大学(現・島根大学)卒業。沖縄県立中部病院研修医、コロンビア大学セントクルース・ルーズベルト病院内科研修医を経て、アルバートアインシュタイン大学ベスイスラエル・メディカルセンター感染症フェローとなる。2003年に中国へ渡り北京インターナショナルSOSクリニックで勤務。2004年に帰国、亀田総合病院(千葉県)で感染内科部長、同総合診療・感染症科部長歴任。2008年より現職。
(出典:神戸大学病院感染症内科

 

クルーズ船の現場責任者である厚生労働副大臣の反論

岩田教授の動画に対して、クルーズ船の現場責任である橋本岳・厚生労働副大臣は、下記のようにTwitterに書き込んでいます。


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また、菅義偉官房長官も19日の記者会見で「感染拡大防止に徹底して取り組んできている」と反論しました。

 

高山義浩医師の動画に対する反論

厚生労働省で働いている高山義浩医師が、岩田教授の動画に対してFacebookに下記のような反論を投稿しています。

岩田 健太郎先生の動画(コメント欄にリンク)を拝見して、まあ、「岩田先生らしいなぁ」と思いつつ、あまり気にしていなかったんですが、しっかり炎上しているようです。

岩田先生をご存じない方々には、ちょっと刺激が強すぎたのかもしれません。ただ、下船していく乗客の方々、現場で頑張っている方々を追い詰めかねない内容なので、事実は事実と認めつつも、動画のなかに登場する当事者として、勘違いされていること、抜けているところは修正させていただきたいと思います。

>1日で追い出されてしまいました。

事実です。正確には、船内におられたのは2時間弱ですね。ご覧になったのは、ラウンジ周辺のみと認識しています。

>厚労省で働いている某氏から電話がきて「入ってもいいよ」と、「やり方を考えましょう」ということでした。

これ、私ですね。ただし、「入ってもいいよ」とは言ってません。その権限はないので。ただ、「やり方を考えましょう」とは申し上げました。そして、環境感染学会が活動していたので、そこを通じてなら活動できるかもしれませんとアドバイスしました。でも、申し込むも(しばし放置されたのちに)断られたとのことでした。

>DMATのメンバーとして入ってはどうかというご提案を厚労省の方からいただいた

これ、私です。その通りです。

>DMATの職員の下で感染対策の専門家ではなく、DMATの一員としてDMATの仕事をただやるだけだったら入れてあげる

これ、私。ただし、「入れてあげる」とは言ってません。その権限はないので。ただ、「DMATとして入る以上は、DMATの活動をしっかりやってください。感染管理のことについて、最初から指摘するのはやめてください。信頼関係ができたら、そうしたアドバイスができるようになるでしょう」と申し上げました。

というのも、現場は乗客の下船に向けたオペレーションの最中であって、限られた人員で頑張っているところだったからです。そうしたなか、いきなり指導を始めてしまうと、岩田先生が煙たがられてしまって、活動が続けられなくなることを危惧したのです。まあ、クルーズ船とは特殊な空間ですし、ちょっと見まわしたぐらいでアドバイスできるものではないとも思ってました。

もちろん、岩田先生の豊富な経験を否定するものではありません。ただ、DMATや自衛隊、検疫所など多様な組織が重層的に活動している特殊な環境ですから、まずは慣れていただくことを優先するよう私は求めたのです。

>「分かりました」と言って現場に行きました。

というわけで、岩田先生は約束してくださいました。

>DMATのチーフのドクターと話をして、そうすると「お前にDMATの仕事は何も期待していない、どうせ専門じゃないし、お前は感染の仕事だろう、感染の仕事やるべきだ」という風に助言をいただきました。

これ事実です。岩田先生は、これで自分は感染対策についての活動ができるようになったと理解されました。ただ、船には、DMATのみならず、厚労省も、自衛隊も、何より船長をはじめとした船会社など、多くの意思決定プロセスがあります。その複雑さを理解されず、私との約束を反故にされました。せめて、私に電話で相談いただければ良かったんですが、そのまま感染対策のアドバイスを各方面に初めてしまわれたようです。

結果的に何が起きたか・・・、現場が困惑してしまって、あの方がいると仕事ができないということで、下船させられてしまったという経緯です。もちろん、岩田先生の感染症医としてのアドバイスは、おおむね妥当だったろうと思います。ただ、正しいだけでは組織は動きません。とくに、危機管理の最中にあっては、信頼されることが何より大切です。

>アフリカに居ても中国に居ても怖くなかったわけですが、ダイアモンドプリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました。

これは岩田先生の感受性の問題ですから、否定するつもりはありません。また、船という特殊な閉鎖空間において、新興感染症が発生しているわけですから、怖くないはずがありません。ただ、そのなかで継続して頑張っている人たちがいることは、ぜひ理解してほしいと思います。ちなみに、私は明日も船に入ります。

課題は多々ありながら、これまで少しずつ改善させてきました。まだまだ改善の余地はあります。ただ、乗客がいる以上は逃げ出すわけにはいかないのです。少なくとも全てのオペレーションが終わるまでは、乗客を下船させて地域に、世界に放つわけにはいきませんでした。

最優先事項は身を守ることだと感染症医の端くれとして私も思いますが、2週間にわたり船のなかで頑張っている人たちは、乗客を支えながら日本と世界を守ることを最優先としているのです。

そういう事態になってしまったことについて、政府を批判することは構いませんが、解決を与えないまま現場を恐怖で委縮させるのは避けてほしかったと思います。逃げ出せない以上は・・・。

>ダイヤモンド・プリンセスの中はグリーンもレッドもグチャグチャになっていて、どこが危なくてどこが危なくないのか全く区別かつかない。

感染症医として「グチャグチャ」と表現されるのは、分からないこともありません。でも、この表現はゾーニングがまったく行われていないかのような誤解を与えます。しかしながら、実際はゾーニングはしっかり行われています。完全ではないにせよ・・・。

たしかに、先進国の病院であれば、あるいは途上国でセットされるNGOや国際機関による医療センターであれば、もっと洗練された感染対策が実施されるでしょう。でも、いきなり、約3700人の乗員・乗客(しかも高齢者が多い)において新興感染症が発生した船舶・・・ というミッションは極めて複雑なのです。

私は海外でのNGO活動に関わったことがありますし、現在も国際NGOの理事を務めていますが、どんなNGOであっても、あるいは国際機関であっても、これが混乱状態から始まることは避けられないでしょう。この2週間が反省すべきところがなかったとは言いませんが、ここまで現場はよく頑張ってくれたなと私は思います。精神論と嘲笑されるでしょうが・・・。

>検疫所の方と一緒に歩いてて、ヒュッと患者さんとすれ違ったりするわけです。

さすがに、これは違います。そのような導線にはなっていません。患者ではなく、乗客ではないかと思います。乗客ですら、そのようなことは稀だと思います。

>話しましたけど、ものすごく嫌な顔されて聞く耳持つ気ないと。

感染症医はコンサルタントとしての能力が求められます。それは聞いてもらう能力でもあります。私は聞いてもらえなかったとき、相手がダメだとは思いません。自分の説明の仕方が悪かったと思います。

>でも僕がいなかったら、いなくなったら今度、感染対策するプロが一人もいなくなっちゃいますよ

これは間違いです。毎日、感染症や公衆衛生を専門とする医師が乗船して指導しています。ご存じなかったんだと思います。まあ、ご自身に比べればプロのうちに入らないと言われると、返す言葉もありませんが・・・

>シエラレオネなんかの方がよっぽどマシでした。

シエラレオネにおいて、先進国が運用する医療センターのことだと思います。最貧国の市中病院の感染管理の悲惨さと同一視させることのないようにお願いします。

>エピカーブというのがあるのですが、そのデータを全然とっていないということを今日、教えてもらいました。

これ間違いです。岩田先生のせいではありません。教えた人が知らなかったんでしょうね。感染研がエピカーブを公表しています。新たな報告を加えてバージョンアップされるでしょうが、すでに公表してますし「全然とっていない」わけではありません。

以上、私なりに感じたことを述べました。見解の相違もあれば、私が間違っているところもあるでしょう。ぜひ、ご指摘ください。ともあれ、私は岩田先生の「志」を否定するつもりはありません。クルーズ船の対応についても教訓としていけるよう、きちんと検証して活かしていくべきです。

そもそも、こんなことは初めての取り組みです。失敗がないわけがありません。それを隠蔽するようなことがあれば、それは協力してくださった乗客の皆さん、仕事を放棄しなかった乗員の方々、自衛隊の隊員さんたち、そして全国から参集してくれた医療従事者の方々を裏切ることになります。

ただ、いま私たちの国は新興感染症に直面しており、このまま封じ込められるか、あるいは全国的な流行に移行していくか、重要な局面にあります。残念ながら、日本人は、危機に直面したときほど、危機そのものを直視せず、誰かを批判することに熱中し、責任論に没頭してしまう傾向があると感じています。不安と疑念が交錯するときだからこそ、一致団結していかなければと思っています。

 

 

岩田健太郎・神戸大教授が動画を削除|その理由は?

岩田教授の動画は、2020年2月20日の朝、削除されました。

SNS上では岩田教授の動画に対して賛否両論ありましたが、動画を削除したことに対して20日午前、日本外国特派員協会で記者会見を行い、岩田教授は下記のように語りました。

「動画はとても多く再生された。昨日(19日)、船内の状況が著しく改善されたと聞いた。また、私が懸念していた(感染可能性が高い箇所と安全箇所の)ゾーン分けも前進した」
(出典:Yahooニュース


動画内容の真偽は定かではありませんが、クルーズ船内の環境が完璧でなかったことは高山義浩医師のFacebookからも明らかです。

本当に、隔離せずに乗客を下船させることが正しい判断だったかは、疑問が残ります。

 

 

クルーズ船から下船した乗客への他国の対応

クルーズ船から下船した日本人の乗客は、公共交通機関で帰宅し、隔離されることはありません。

しかし、日本以外の多くの国は、船内での隔離期間に実効性がなかったと見なし、自国民を帰国させたあと、さらに2週間隔離しています。

例えば、韓国、オーストラリア、香港などは、乗客が帰国後に14日間、施設で隔離措置が実施されます。

 

下船したオーストラリアの乗客が帰国後に陽性反応

クルーズ船から下船した乗客の新型コロナウイルス感染が確認されました。

下船前の検査では陰性だったそうです。

今後、クルーズ船から下船した日本人乗客の中から感染者が出る可能性が否定できなくなりました。

オーストラリア政府は21日、新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船して帰国した豪州人乗客2人から、ウイルスの陽性反応が出たと発表した。2人はクルーズ船で検査した際には陰性で、症状は認められなかった。
(出典:日経新聞

 

 

ダイヤモンド・プリンセスから下船した乗客により新型肺炎の感染が拡大する可能性は?

岩田教授の動画を観る限り、現在の状況でクルーズ船から乗客を降ろすのは非常に危険でしょう。感染症の専門家が「ダイヤモンド・プリンセスはCOVID-19製造機」という状況です。

ウイルス検査で陰性が確認されている乗客を下船させているとしていますが、安全なグリーンゾーンと危険なレッドゾーンが区分されていない船内から、乗客を出して大丈夫なのでしょうか?

更に、下船後の隔離もなく、公共交通機関で帰宅させるとは、常識では考えられません。

これから、クルーズ船の乗客たちが、公共交通機関を使い、日本全国の自宅に帰っていくことになります。

現在でも日本国内で感染経路がよく分からない新型肺炎の感染者が増えていますが、今後、今以上に患者が増え、パンデミック(感染爆発)が起きる可能性もあるのではないでしょうか?

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クルーズ船から下船した乗客(60代女性)の感染が確認される

クルーズ船から下船した栃木県に住み60代女性の感染が確認されました。下船した乗客で感染が確認されたのは、国内で初めてです。

この女性は、今月2月14日に検査を行った結果、翌15日に陰性となったため、19日に下船して帰宅していたということです。

この女性は、下船した後に公共交通機関で帰宅しているはずなので、既に60代女性から感染が広がっている可能性があります・

 

 

新型肺炎拡大を防ぐためにできることとは?

既にダイヤモンド・プリセンス号からの乗客の下船は始まっているので、止めることはできません。

我々ができることは、新型コロナウイルスに感染しないように予防を徹底することしかないでしょう。

感染予防の基本は、手洗いやアルコール消毒、人混みに行かないこととなっています。

新型コロナウイルス感染予防対策
(出典:Open Doctors

なお、マスクの着用だけで新型コロナウイルスの感染は防げません

世界保健機関(WHO)の担当者は、新型コロナウイルスについて「必ずしもマスク着用は感染予防にはならない」とし、手洗いの方が効果的だと述べています。

新型肺炎に感染した人を家族が看病する場合など、近くで症状がある人の飛沫(ひまつ)を浴びる可能性がある場合には、マスクも一定の効果があると考えられています。

しかし野外などでは、マスクでは十分には予防できないとの意見が一般的です。

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