新型肺炎コロナウイルスはエアロゾル感染する?空気感染との違いは?マスクで防げる?

2020年2月13日


WHO(世界保健機関)によって「COVID-19」と命名された新型肺炎(コロナウイルス)の死者数は、中国で1358人(2020年2月13日現在)となり、2003年に流行した新型肺炎、「SARS」の世界全体の死者の数774人を上回っています。

新型肺炎の感染原因は、「飛沫感染」と「接触感染」と言われてきましたが、「エアロゾル感染」の可能性が指摘されています。


エアロゾル感染」とは、聞き慣れない言葉ですが、どのようなものでしょうか?そこで今回は、下記のポイントについて解説します。

  • 「エアロゾル感染」とは?
  • 「エアロゾル感染」と「空気感染」との違いは?
  • 「エアロゾル感染」はマスクで防げるのか?
  • 「エアロゾル感染」の予防策とは?

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新型肺炎の感染経路とは?|飛沫感染・接触感染・エアロゾル感染

これまで、新型肺炎の感染原因は、飛沫感染と接触感染といわれてきました。

 

飛沫感染とは?

飛沫感染とは、下記の通り、感染者のせきやくしゃみで飛び散るウイルスを含んだ飛沫を吸い込むことで起こる感染です。

咳やくしゃみをすると、口から細かい水滴が飛び散りますよね。この細かい水滴を飛沫と言います。
この飛沫に病気の原因となる細菌やウイルスが含まれていた場合、これを吸い込むことで感染するのが飛沫感染です。
例えば、インフルエンザは、この飛沫で感染します。
(出典:昭和大学

 

接触感染とは?

接触感染は、下記の通り、感染者がウイルスが付いた手で触ったドアノブや電車のつり革、エレベータのボタンなどを触ることにより起こる感染です。

皮膚や粘膜の接触、または医療従事者の手や聴診器などの器具、手すりやドアノブなど、患者周囲の物体表面を介しての間接的な接触で病原体が付着し、その結果感染が成立するもの。

(出典:Wikipedia

 

エアロゾル感染」とは?

エアロゾル感染」は、下記の通り、飛沫感染と似ていますが、飛沫は重いため、すぐに落下します。一方、エアロゾルは長く漂うことになるので、体内に吸い込まれる可能性は上がるでしょう。

「エアロゾル」とは、空気中に微粒子が安定して長く漂っている状態のことで、雲、タバコの煙、寒い時期の白い息のような状態です。空気中にインフルエンザウイルスを含んだ微粒子が安定して漂い、それを吸い込むことで感染するのではないかと考えられています。

飛沫感染とエアロゾル感染は似ていますが、飛沫は水分を含んでいるために、口から飛び出した際に重力に引っ張られて下に落ちますので、空気中に漂うことはありません。
(出典:NHK

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エアロゾル感染と空気感染との違いとは?

エアロゾル感染と聞いて、空気感染と混同している方がいますが、エアロゾル感染と空気感染は、別モノのようです。

エアロゾル感染と空気感染は何が違うのでしょうか?まずは、空気感染の定義について確認してみたいと思います。

 

空気感染とは?

空気感染は、飛沫の水分が蒸発した飛沫核を吸い込むことで起こる感染です。

結核や麻しん(はしか)、水痘(水ぼうそう)は、空気感染することが知られています。

空気感染は別の言い方で飛沫核感染といいます。

飛沫核とは、飛沫の水分が蒸発した小さな粒子のことで、これを吸いこむことで感染するのが飛沫核感染、つまり空気感染ということになります。

飛沫は水分を含んでいるためそれなりの重さがあり、体内から放出された後、すぐに地面に落ちてしまいますが、飛沫核は水分が無いぶん軽いため、長い時間たっても空気中に浮遊し、しかも遠くまで飛んでいくことができます。

従って、患者から十分な距離をとっていても感染してしまうのです。

例えば、結核や麻しん(はしか)、水痘(水ぼうそう)は空気感染することが知られています。

飛沫感染と空気感染の違い
(出典:昭和大学

 

一見、エアロゾル感染と空気感染は同じではないかと思えてしまいますが、下記の文章を読むと、エアロゾル感染と空気感染が異なるということが分かります。

下記文章から分かることは、エアロゾルとは5μm未満の飛沫であり、空気感染する飛沫核ではないということになります。

インフルエンザウイルスが空気感染、あるいは5μm未満の飛沫(エアロゾル)により伝播するかについては、よりいっそう不確かな点が多い。Brankstonら(Lancet Infectious Diseases, 2007)は、人工呼吸管理や気管支肺洗浄などの処置を実施するような病院の特殊な環境でなければ、エアロゾル感染の起こる可能性は低いと述べている。
(出典:国立感染症研究所感染症情報センター

 

更に、厚生労働省HPのレジオネラ症のQ&Aには、下記のような回答があります。

Q.4:レジオネラ属菌はどのように感染しますか?
レジオネラ症は、主にレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入などによって、細菌が感染して発症します。レジオネラ属菌はヒトからヒトへ感染することはありません。

1.エアロゾル感染
レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルを吸入することによって感染します。代表的なエアロゾル感染源としては、冷却塔水、加湿器や循環式浴槽などが報告されています。
(出典:厚生労働省

上記Q&Aからも、エアロゾルは細かい霧やしぶきとされていて、飛沫核ではないことが分かります。

 

また、東京都立駒込病院感染症科の今村顕史(いまむら あきふみ)先生の下記ツイートによると、エアロゾル感染と空気感染は異なる概念だとされています。


更に、「吸引」や「気管内挿管」でエアロゾルが発生するとツイートされているので、エアロゾル感染とは、医療現場で発生する現象であり、一般的な生活の中では起きにくい感染原因のようです。

その他、下記のような医師の方々が、エアロゾル感染と空気感染は異なるとツイートしています。

 

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エアロゾル感染はマスクで防ぐことができるか?

一般的に販売されている使い捨てマスクであるサージカルマスクで除去できるのは、直径5μm(1マイクロメートルは1000分の1メートル)までの粒子です。

エアロゾルの大きさは5μm未満なので、残念ながらサージカルマスクでエアロゾル感染を防ぐことはできません

エアロゾル感染を防ぐためには、0.3マイクロメートルの粒子を防ぐ「N95」規格のマスクが必要です。

上記の通り、サージカルマスクには、エアロゾル感染を防ぐ効果は期待できませんので、慌ててマスクを購入する必要はありません。転売目的の悪質なマスク買い占めを防ぐためにも転売ヤーから高額なマスクを買うことは避けなければなりません。

新型肺炎(コロナウイルス)でマスクの品切れ続出|マスク転売は違法ではないのか?

 

 

エアロゾル感染」の予防策とは?

エアロゾル感染の予防策にはどのようなものがるのでしょうか?

上海東和クリニックの藤田康介先生の下記ツイートによると、換気が重要とのことです。エアロゾルは空気中を漂うわけですから換気の重要性は理解できます。

そして、人混みを避けること。これは、これまでの感染予防策と同様です。

また、今村先生によると、新型コロナウイルスの感染経路の基本は「飛沫感染」と「接触感染」であり、これまでの手洗いなどの予防策を行えばいいとしています。

 

 

まとめ

「エアロゾル感染」がTwitterのトレンド入りして、新型肺炎もついに空気感染か、という下記のような反応が多数ありました。

今のところ、新型肺炎は空気感染はしないとされていて、「エアロゾル感染」も「空気感染」とは異なる概念だということが分かりました。

誤報やデマに惑わされないように注意する必要があります。

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