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火災保険

免責金額(自己負担額)を設定して火災保険料を節約

免責金額(自己負担額)を増やして保険料を節約すると聞くと自動車保険の車両保険をイメージするかもしれませんが、火災保険にも免責金額(自己負担額)を設定することが可能です。

免責金額(自己負担)を増やすことにより火災保険の保険料を節約することができます。

今回は、火災保険に免責金額(自己負担額)を設定する場合のメリットとデメリットについてご紹介します。

1.免責金額(自己負担額)とは?

免責金額(自己負担額)とは、損害額から差し引かれる自己負担額のことです。免責金額(自己負担額)を大きくするほど、保険料は安くなります。免責金額(自己負担額)を設定した場合の保険金の支払事例は下記の通りとなります。

支払損害保険金 = 損害額(修理費)- 免責金額(自己負担額)

【保険金支払例】
損害額:100万円
免責金額:10万円

100万円 - 10万円 = 90万円(損害保険金)

上記事例の場合、支払われる保険金は90万円となります。保険金受取時には、免責金額(自己負担額)が差し引かれる点とともに免責金額(自己負担額)以下の損害は補償されない点には注意が必要です。

また、免責金額(自己負担額)0円を選択しても『不測かつ突発的な事故(破損・汚損等)』の場合は、5千円や1万円の自己負担額が差し引かれます。風災補償のみ他の補償とは別で免責金額(自己負担額)を設定できる商品もあります。

 

 

 

2.設定できる免責金額(自己負担額)

選択できる免責金額(自己負担額)は保険会社によって異なります。各社の免責金額は下記の通りです。

 

損保ジャパン日本興亜
0円 1万円 3万円 5万円 10万円
※「不測かつ突発的な事故」のみ免責金額(自己負担額)が1万円となります。

東京海上日動
0円 5千円 3万円 5万円
※「破損等リスク」のみ免責金額(自己負担額)が5千円となります。

三井住友海上
建物:1万円 2万円 3万円 5万円 10万円
家財:1万円 2万円 3万円 5万円

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3.T構造の保険料節約額

免責金額(自己負担額)設定による保険料節約額を確認していきたいと思います。まずはT構造の試算結果は下記の通りです。

 

試算条件(平成27年6月現在)
保険会社:東京海上日動
商品:『トータルアシスト 住まいの保険』
所在地:東京都
補償パターン:戸建て充実パターン
構造級別:T構造(鉄骨造)
建物保険金額:2,500万円
保険期間:1年間

免責金額(自己負担)0円
年間保険料21,110円

免責金額(自己負担)5千円
年間保険料20,910円(-200円)

免責金額(自己負担):3万円
年間保険料19,760円(-1,350円)

免責金額(自己負担)5万円
年間保険料19,000円(-2,110円)

免責金額を大きくするほど保険料は安くなりますが、上記の例を見ると最大の免責金額(自己負担額)を設定しても節約できる保険料は年間2,210円程度です。

免責金額の設定をする際にご注意頂きたいのは、免責金額以下の損害は、補償されないという点と同時に免責金額以上の損害があった場合でも免責金額は自己負担となる点です。

仮に免責金額5万円で考えた場合、約23年に1回以下の保険事故でないと節約金額が事故負担額を超えてしまい、本末転倒となります。

但し、損害額が大きく、臨時費用保険金が支払われる場合には、自己負担額を臨時費用保険金で補うことができる場合があります。

 

 

 

4.H構造の保険料節約額

上記の試算条件で建物の構造を木造のH構造にすると、もう少し節約金額が上がります。

 

試算条件(平成27年6月現在)
保険会社:東京海上日動
商品:『トータルアシスト 住まいの保険』
所在地:東京都
補償パターン:戸建て充実タイプ
構造級別:H構造(木造)
建物保険金額:2,500万円
保険期間:1年間

免責金額(自己負担)0円
年間保険料41,070円

免責金額(自己負担)5千円
年間保険料40,770円(-300円)

免責金額(自己負担)3万円
年間保険料39,140円(-1,930円)

免責金額(自己負担)5万円
年間保険料38,030円(-3,040円)

木造(H構造)でも最大の節約額は3,040円です。

節約額に対しての自己負担額の大きさを考慮すると、考え方にもよりますが、火災保険の免責(自己負担)設定は節約効果はあまり高くないと言えるかもしれません。

もっと保険料が高くなるような保険金額が大きい契約であれば、ある程度の保険料節約効果が出ると思います。

 

 

 

まとめ

免責金額(自己負担額)を増やすと保険料の節約にはなりますが、節約額と自己負担額の兼ね合いを確認し、免責金額を設定して頂ければと思います。

火災保険の補償内容や建物の構造級別の詳細については、下記記事をご参照ください。
火災保険を契約する際に抑えておくべき8つのポイント

火災保険の節約をお考えであれば、免責金額(自己負担額)を設定する以外にも一括見積もり(無料)で複数社の保険料を比較する方法があります。
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最終更新日:2017年10月19日
No.59