故障も火災保険で補償される?

このエントリーをはてなブックマークに追加

火災保険は補償範囲が広く、色々な特約が付帯(セット)できることをご紹介しました。
火災保険を契約する際に抑えておくべき8つのポイント

火災保険の補償範囲は広いため、「太陽光発電の装置が故障した場合、火災保険で補償されるか?」という、機械設備の故障についてご質問頂くことがあります。

今回は火災保険の特約の中で最近ご質問を頂くことが多い「電気的・機械的事故特約」についてご紹介します。


1.電気的・機械的事故特約とは?

「電気的・機械的事故特約」は太陽光発電設備、エアコン、給湯器、床暖房等の建物に備え付けられた付属機械設備の電気的・機械的事故を補償する特約です。

同特約は建物を保険の対象とし、破損・汚損等リスクを補償するプランの場合に特約として付帯できます。

商品によっては同特約の取り扱いがない場合もあります。

 

 

 

2.電気的・機械的事故とは?

電気的・機械的事故とはどのような事故でしょうか?損保ジャパン日本興亜のホームページでは下記のように説明されています。

電気的・機械的事故とは、いわゆる故障の事故(*)をさします。

電気的事故とは電気機器または装置に生じた炭化または溶融が生じることをいい、具体的にはショート、アーク、スパーク過電流等による事故をいいます。

機械的事故とは機械の内的要因により機械装置に焼付け・破損(折損・毀損・曲損・亀裂等、物体に荷重が加わることにより永久的な変形を遂げること。)等の損害が生じることをいいます。

*自然の消耗、劣化等による損害に対しては保険金をお支払いできません。

火災保険では基本的に電気的・機械的事故は免責(補償対象外)となっています。

この特約を付けることで、本来は火災保険では免責(補償対象外)である過電流によるショート等の故障を補償対象とすることが出来ます。

なお、落雷による過電流でテレビやパソコンなどが壊れた場合は、家財が補償対象の火災保険で補償されます。火災保険では、落雷の損害は、特約をセットしていないくても補償されます。

 

 

 

3.補償対象となる機械設備の具体例

この特約で補償対象となるのは、主契約の保険の対象である建物に備え付けられた付属機械設備です。建物に付加されていない機械(建物に固定的に取り付けられていない機械)は補償対象とはなりません。

具体的には下記のような設備が同特約の補償対象となります。

【補償対象となる機械設備】

●アンテナ設備
●エアコン
●照明設備
●太陽光発電機
●空調設備(ビルトインタイプ)
●電動シャッター
●エアコン室外機
●火災報知設備
●盗難防止装置・警報装置等
●分電盤
●浴室乾燥機
●インターフォン
●ホームエレベーター
●IHクッキングヒーター(ビルトインタイプ)
●食器洗浄器(ビルトインタイプ)
●オーブンレンジ(ビルトインタイプ)
●給湯器  など

最近ではオール電化で太陽光発電設備を設置される住宅も多いと思います。そのような住宅には良い特約ではないでしょうか?

 

 

 

4.補償対象とならないもの

同特約で補償対象とならない主なものは、以下の通りです。

家財に該当する家庭用の電化製品、例えばテレビ、洗濯機、冷蔵庫等は補償の対象になりません。また、建物に固着、定着していない移動式、可搬式の機器、電球類も補償対象にはなりませんので、ご注意ください。

 

 

 

5.メーカー保証との関係

太陽光発電等の設備にはメーカーの保証が数年間付いていると思います。そのメーカー保証や販売店等の延長保証がある間は、本特約の補償対象外となります。

 

 

 

6.事故例

電気的・機械的事故とは具体的にはどうようなものでしょうか?保険会社のHPには下記のような事故例が載っていました。

  • 給湯器が点火操作時に異常着火し、大きな音がして、配線が焼きついて故障した
  • エアコンの室外機の電気部品が発火したことにより、エアコンのファンが焼損し、室外機が使用不能となった など
 

 

 

7.支払われる保険金

支払われる保険金は下記の通りです。

支払保険金 = 損害額(修理費)- 免責金額(自己負担額)

免責金額(自己負担額)は、不測かつ突発的な事故(破損・汚損)の自己負担額と同額です。

つまり、火災保険の免責金額をゼロにしていても破損・汚損については、5,000円や1万円等の自己負担額が発生しますので、同特約の場合も免責金額をゼロで設定していても5,000円や1万円等の自己負担額が発生します。

 

 

 

8.特約保険料例

では、特約の保険料はどの程度でしょうか。確認してみたいと思います。

 

試算条件(平成27年7月現在)
保険会社:東京海上日動
商品:『トータルアシスト 住まいの保険』
物件所在地:東京都
補償パターン:充実パターン
建物保険金額:2,500万円
免責(自己負担):なし

構造級別:T構造(鉄骨)
年間保険料 :24,900円
内特約保険料:3,790円

構造級別:H構造(木造)
年間保険料 :44,860円
内特約保険料:3,790円

構造級別:M構造(マンション)
年間保険料 :14,470円
内特約保険料:3,790円

H、T、M構造の3つのパターンで試算してみましたが、どの構造も特約保険料は3,790円で同じでした。あくまでも建物付属設備の故障に対する補償なので、構造によってリスクは変わらないということでしょう。

 

 

 

まとめ

上記例の場合、年間3,700円程度で付加できる特約です。太陽光発電装置などの建物付属設備の故障が心配な方は一度ご検討されてはいかがでしょうか?

 
最終更新日:2017年10月30日
No.72

こちらの記事も読まれています!

  • タンス預金は安全?危険? 2015年の相続税の増税や日本銀行のマイナス金利政策、マイナンバー制度の導入等の影響により、銀行預金を引き出して現金を自宅で保管するタンス預金が増えているようです。 タンス預金のための家庭用金庫も売れているそうですが、本当にタンス預金は銀行に預けておくより安全なのでしょう […]
  • 宝石や骨董品(明記物件)は火災保険で補償される!? ご自宅に1個または1組が30万円を超える貴金属や宝石等を持っている方は少なくないと思います。火災が発生した場合、そのような高額品は火災保険で補償されるのでしょうか? 火災保険の契約内容によっては、1個または1組が30万円を超える貴金属や宝石等が補償されない場合があります。 […]
  • 火災保険の保険料を払い過ぎていませんか?(超過保険) 先日、1,000万円の建物に2,000万円の火災保険契約をした場合、どのような補償になるのかとの質問を受けました。 全焼した場合、2,000万円の保険金を受け取れるのでしょうか?全焼して保険金2,000万円を受け取ることになると、1,000万円ほど儲かることになります。 […]
  • マイホーム(住宅)購入時に諸費用(火災・地震保険)を節約する方法 マイホームの購入時は物件の購入費用が大きいので、諸費用は抑えたいものです。 諸費用の中には、火災保険や地震保険の保険料もありますが、契約の内容によっては、どちらの保険料も大きな額となります。 今回は、火災保険、地震保険の保険料を抑える方法をご紹介します。住宅購入をお […]
  • 免責金額(自己負担額)を設定して火災保険料を節約 免責金額(自己負担額)を増やして保険料を節約すると聞くと自動車保険の車両保険をイメージするかもしれませんが、火災保険にも免責金額(自己負担額)を設定することが可能です。 免責金額(自己負担)を増やすことにより火災保険の保険料を節約することができます。 今回は、火災保 […]
  • 10年を超える火災保険契約は出来ない!? 2015年10月1日に火災保険が改定されることをご存知でしょうか?全体的に保険料は値上げされますが、物件の所在地(都道府県)や建物の構造によって異なります。 また、保険期間10年を超える火災保険の長期契約が廃止になります。 今回は、目前に迫った火災保険の改定について […]
2015年7月8日 | カテゴリー : 火災保険 | 投稿者 : 保険FP