危険ドラッグを使用して事故を起こしたら自動車保険で補償されない!?

2017年12月28日

危険ドラッグ(脱法ドラッグ・脱法ハーブ)を使用して交通事故を起こしたというニュースを以前よく耳にしました。警視庁は危険ドラッグを所持している運転者に対し、交通違反がなくても運転免許を最大6カ月間停止する運用を始めています。

実際に徳島県で150日間の免許停止になる事例も発生しています。個人的にはもっと厳罰化してもいいような気もしますが・・・。

さて、危険ドラッグを使用して交通事故を起こした場合、自動車保険の補償はどうなるのでしょうか?交通事故を起こした本人は自業自得なのでいいとして、被害者となった場合の補償はどうなるのでしょうか?


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1.被害者のケガは補償されるのか?

危険ドラッグを使用した運転者が起こした車の事故に巻き込まれ、ケガをした場合、被害者救済の観点から加害者が加入している自動車保険で補償されます。

また、飲酒運転の車の事故に巻まれた場合も同様に加害者が加入している自動保険で被害者は補償されます。

まず、自賠責保険から傷害の場合は120万円の支払いがあり、それを超える場合には任意の自動車保険の対人賠償から補償があります。

自賠責の補償内容や自動車保険と自賠責保険の関係については、下記記事をご参照ください。
自賠責保険を正しく理解していますか?
自動車保険の仕組み

 

 

 

2.被害車両の損害は補償されるのか?

被害者の車両の損害についても加害者加入の自動車保険(任意保険)から対物賠償責任保険で補償されます。対物事故の場合も被害者には非はないので、被害者救済の観点から補償があります。

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3.運転者本人の補償は?

危険ドラッグを使用して事故を起こした運転手がケガをしたり、車が壊れたりした場合はどうなるのでしょうか?

当然のことながら、補償はありません。運転者本人の損害に対しては、免責(補償対象外)となります。

ある保険会社の人身傷害保険の約款では免責(補償対象外)の部分に下記のような記載があります。

被保険者が、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤、シンナー等の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で自動車を運転している場合に生じた損害

また、薬物だけでなく、飲酒運転にも下記のような免責条項があります。

被保険者が、道路交通法(昭和35年法律第105号)第65条(酒気帯び運転の禁止)第1項に定める酒気帯び運転またはこれに相当する状態で自動車を運転している場合に生じた損害

ちなみに、事故でケガをし入院した場合の医療保険に関しても、薬物を使用し運転してケガをした場合や、飲酒運転をしケガをした場合には免責(保障対象外)になり、保険金は支払われません。

ある保険会社の医療保険約款の免責事由は下記のようになっています。

被保険者が法令に定める酒気帯び運転またはこれに相当する運転をしている間に生じた事故

 

 

 

4.加害者が保険に加入していなかった場合

危険ドラッグを使用して事故を起こした加害者が自賠責保険、自動車保険(任意保険)に未加入の場合はどうなるのでしょうか?

無保険車の場合、対人事故に関しては政府保障があります。保障内容については、自賠責基準での支払いとなります。

政府保障事業については、下記の記事をご参照ください。
無保険車の事故

対物事故に関しては残念ながら政府保障のような制度はありません。加害者に対して損害額を請求するしかありません。

但し、車の損害に関しては、「車両無過失事故に関する特約」をセットしていれば、加害者が特定されている等の条件はありますが、被害者の車両保険を使用して車を修理しても等級に影響がないノーカウント事故になります。
当て逃げされても3等級ダウン!?

 

 

 

まとめ

薬物を使用しての運転や飲酒しての運転で事故を起こした場合の補償をまとめると、下記のようになります。

【補償あり】
自賠責保険
対人賠償責任保険
対物賠償責任保険

【補償なし(免責)】
車両保険
人身傷害保険(同乗者は補償あり)
搭乗者傷害保険(同乗者は補償あり) 等

被害者に関しては、補償があるとしても薬物使用や飲酒しての事故に巻き込まれるような事は被害者としては許せない事です。そのような事故が無くなるよう、危険ドラッグに関する罰則をもっと厳罰化してもいいと思います。

最終更新日:2017年12月17日
No.125

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