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ゲリラ豪雨による水害は火災保険で補償される?

最近は異常気象の影響で夏になるとゲリラ豪雨の話題が毎年のように出ます。また、「ゲリラ豪雨による自宅建物や家財の損害を補償する保険はあるのでしょうか?」という質問をいただくことが増えました。

ゲリラ豪雨などにより水害が起こると、住宅や家財に大きな被害が発生することがあります。

ゲリラ豪雨による水害に対しては火災保険で補償される可能性があるのですが、どのような場合に補償されるのでしょうか?また、どのような補償があるのでしょうか?

今回は自宅建物や家財に対するゲリラ豪雨などによる水災の補償についてご紹介します。

1.ゲリラ豪雨などによる水害は火災保険で補償される

ゲリラ豪雨などによる自宅建物や家財(テレビ、家具、家電、衣服など)の損害は、火災保険で補償されます。個人向けの火災保険は補償範囲が広く、火災以外にも自然災害など補償される損害があります。
火災保険を契約する際に抑えておくべき8つのポイント

下記のようなゲリラ豪雨などによる水害(水災)が火災保険では、補償の対象となります。

  • 集中豪雨で、土砂崩れが起きて、建物内に土砂が流れ込んだ
  • 台風による大雨で河川が氾濫し、建物が床上浸水の被害にあった
  • ゲリラ豪雨により床上浸水が発生し、家電製品、家具などが使えなくなった

 

 

 

2.火災保険の対象は建物と家財

火災保険の目的(補償対象)は、「建物のみ」、「家財のみ」、「建物と家財」と3つのパターンから選択できます。

持ち家の場合、火災保険の目的が「建物のみ」という方も多いと思います。火災保険の目的が「建物のみ」だと、家財(テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電、タンスなどの家具、衣類等)の損害は補償されないので、注意が必要です。

ゲリラ豪雨などにより床上浸水が起こった場合、建物だけでなく、家財(家具、家電、衣服など)にも大きな損害が発生します。

川の近くなどに自宅がある方は、火災保険の目的が「建物のみ」、「家財のみ」、「建物と家財」のどのパターンで契約されているかについても確認することをおすすめします。

 

 

3.火災保険の水災補償には条件あり

上記の通り火災保険に水災補償はあるのですが、水害が発生すれば必ず補償されるわけではなく、水災による損害は下記のような条件を満たさないと補償されません。床下浸水のみだと保険金が支払われない場合があるなど、注意が必要です。

水災が補償される条件

台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮等によって損害額が再調達価額の30%以上となった場合または床上浸水または地盤面より45㎝を超える浸水を被った場合

上記のような水災が補償される条件は保険会社ごとに若干異なる場合があります。

 

 

 

4.水害に対する補償がない火災保険がある?

実は、火災保険の中には水災の補償がない商品が存在します。

現在の火災保険は、保険会社ごとに独自の商品をメインに販売していますが、以前は、各社の火災保険の主力商品は「住宅火災保険」や「住宅総合保険」でした。その住宅火災保険」には水災の補償はありません。一方、「住宅総合保険」には、水災の補償があります。

「住宅火災保険」と「住宅総合保険」の補償内容は以下の通りです。

住宅火災保険の補償内容

  • 火災
  • 落雷・破裂・爆発
  • 風・ひょう・雪災

住宅総合保険の補償内容

  • 火災
  • 落雷・破裂・爆発
  • 風・ひょう・雪災
  • 外来物の落下・衝突
  • 水濡れ
  • 騒じょう・労働争議
  • 盗難
  • 水災

また、最近の火災保険では補償が選択できて、水災の補償を取り外すことが可能な商品があります。水災の補償を外すと保険料が安くなるので、保険料節約のために水災補償をセットされていない方もいらっしゃると思います。

水災の補償を付けていない場合は、当然のことながら水害による損害は補償されませんので注意が必要です。

最近は異常気象で、どこで水害が起こってもおかしくない時代です。高台に家があるなど、絶対に水害が起こらないと断言できるところ以外は水災の補償は必須でしょう。

特に水害が起こる可能性がある地域に自宅があり、住宅ローンが残っているような場合には、保険料は高くなりますが、水災補償をセットすることをおすすめします。

住宅ローンが残っている状態で、火災保険に水災補償をセットせず、河川の氾濫などの被害に遭ってしまうと、二重でローンを抱えてしまうことになります。

 

 

 

5.長期契約の火災保険の補償内容に注意

家のローン期間に合わせるなどして長期で契約している火災保険は補償内容に注意が必要です。

例えば、10年前に自宅を購入して保険期間30年等の長期で火災保険を契約しているとすれば、その商品が住宅火災保険である可能性もあります。その場合には、前述の通り、水災の補償がありません

火災保険の補償内容を確認するとともに国土交通省のハザードマップ等を参考にお住まいの地域の水害の可能性を確認されることをお勧めします。

水害の可能性がある地域にお住いで水災補償のない住宅火災保険に加入の場合には、水災補償のある最新の火災保険に加入し直すなどの対応をおすすめします。

 

 

 

6.企業向け火災保険の水害に対する補償

さて、ここからは企業が所有する建物や設備・什器、商品・製品等に対してのゲリラ豪雨(水害)に対する補償について確認したいと思います。

事業専用の「建物」、事業専用の建物内に収容の「設備・什器(じゅうき)等」「商品・製品等」の火災や水災による損害に対して備えるためには、店舗総合保険や企業総合保険への加入が必要になります。

店舗総合保険や企業総合保険(保険会社によって商品名は異なります)は事業者向けの火災保険で、水害に対する補償もあります。

店舗総合保険の場合、水災の補償には、個人向けの火災保険と同じように浸水条件があります。下記のような条件を満たさないと水災による損害は補償されません。

建物
損害の額(時価額)が保険価額(時価額)の30% 以上の場合
上記以外で、床上 浸水または地盤面から 45cmを超える浸水に より損害を被った場合

設備・什器等、商品・製品等
床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水により損害を被った場合

企業総合保険の場合、上記のように浸水条件があるパターンと浸水条件がないパターンを選べる商品もあります。浸水条件がないパターンであれば、水災によって建物や設備・什器、商品・製品等に損害が発生した場合が保険金支払対象になります。

※店舗兼住宅のような併用住宅の「建物」や併用住宅に収容されている「家財」については、店舗総合保険や個人向けの火災保険での引き受けとなります。

 

 

 

まとめ

お住まいの地域が水害(水災)の危険性があるかどうか確認することをお勧めします。水害(水災)の危険性がある場合には、ご加入の火災保険に水災の補償があるかの確認をされるといいでしょう。

火災保険の水災補償には、上記の通り浸水条件がある場合がありますので、その点にはご注意ください。

また、住宅ローンの期間に合わせて保険期間30年等で契約している火災保険の場合には、補償内容を定期的に確認することをお勧めします。

必要であれば、水災補償のない古い火災保険を解約し、水災補償のある火災保険に加入し直すなどの対応をするといいでしょう。

最終更新日:2019年8月28日
No.208

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