自動車保険の解約時に中断証明書を発行できる条件とは?

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「車に乗らなくなったから自動車保険を解約したい。中断証明書を発行して欲しい」という依頼を頂きました。車を手放すわけでもなく、車検も切れていない状態での自動車保険解約の依頼でした。

自動車保険には、契約を解約する際に等級(割引)を保存し、再加入時にその等級(割引)を引き継げる中断制度があります。一時的に自動車に乗らなくなる方に活用して頂ける制度です。

しかし、今回のようなご依頼の場合には、中断証明書を発行することはできません。

どんな場合に中断ができるのでしょうか?中断証明書を発行できる条件や中断証明書を利用して加入する自動車保険について解説します。



1.中断証明書とは?

自動車の廃車・譲渡や海外渡航などで、一時的に車に乗らないために自動車保険を解約する場合、中断証明書を発行することにより、解約時のノンフリート等級(割引)を10年間保存しておくことができます。10年以内に自動車保険に新たに加入する場合には、中断時に保存したノンフリート等級(割引)を新契約に引き継ぐことができます。

中断制度には、譲渡や廃車等で車を手放した場合の「国内特則」と、海外赴任等で車に乗らなくなった場合の「海外特則」の2種類があります。

なお、中断制度については、保険会社ごとに条件や内容が異なる場合がありますので、ご注意ください。

自動車保険のノンフリート等級制度については、下記記事で詳細に解説しています。
自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)


 

 

 

2.中断証明書の発行条件

中断証明書はどのような場合でも発行できるわけではありません。「国内特則」、「海外特則」それぞれの中断証明書発行条件は、下記の通りです。


 

1)国内特則

中断証明書(国内特則)を発行するためには、自動車保険契約の保険開始日から満期日・解約日までの間、契約の車両(被保険自動車)に下記のいずれかの事実が発生している必要があります。

・車を廃車、他人へ譲渡またはリース会社へ返還する
・車が車検切れとなる
・車が車両入替手続きにより、他の保険契約の対象となる
・車が盗難された
・車が災害により滅失した

 

2)海外特則

中断証明書(海外特則)の発行条件は、以下の通りです。

・中断する理由が海外赴任・海外留学等の海外渡航であること
(ただし、一時的な観光目的の海外旅行等は対象にならない)

契約者が自動車保険契約の満期日・解約日から6ヵ月以内に海外渡航することが条件です。例えば、「自動車保険契約を解約し、海外渡航をするのが解約日から7ヵ月後」という場合は中断証明書は発行できません。

冒頭でご紹介した事例は「国内特則」に該当しますが、自動車保険の契約車両を手放すわけでもなく、更に車検も切れていないため、中断証明書の発行はできないことになります。

 

 

 

3.中断証明書を発行できる等級

中断証明書を発行するには、中断する契約の次契約の等級が7等級以上である必要があります。なお、中断する契約の保険期間中に事故があった場合は、その事故に応じて下がった等級が7等級以上である必要があります。

例えば、7等級である契約で3等級ダウン事故を起こした場合、次契約は4等級となるため、中断の手続きはできません。

また、保険会社によっては、事故がなく満期日をもって中断した場合は、中断しなかった場合と同様に1つ上がった等級で中断証明書を発行しています。


 

 

 

4.中断証明書を発行できる期間

中断証明書を発行できる期間は、自動車保険の満期日または解約した日から13か月以内です。つまり、中断証明書を発行する手続きを忘れていても解約日または満期日から13ヶ月以内であれば、手続きが可能ですので、保険会社にご連絡ください。


 

 

 

5.中断証明書を利用した契約について

中断証明書を利用して新たに自動車保険に加入する場合、下記の条件を満たしている必要があります。

中断証明書を利用して契約できる自動車保険の条件
  • 新契約の保険期間の初日が、中断日の翌日から起算して10年以内であること
  • 新契約の車が、新契約の保険始期日の過去1年以内に取得または借入した新規取得自動車であること
  • 海外渡航の場合、新契約の始期日が出国の翌日から10年以内で、帰国日の翌日から1年以内であること
  • 中断前後の車の用途車種が同一であること
  • 中断前後の契約の記名被保険者が同一であること
  • 中断前後の車両所有者が同一であること

なお、中断証明書は、発行した保険会社のみでしか活用できないということはありません。中断前の保険会社と再契約時の保険会社は同じ会社である必要はありません。

例えば、A損保で契約していた10等級の自動車保険を解約、中断証明書を発行してもらい、数年後にB海上で中断証明書を利用して10等級の自動車保険に加入することも可能です。


 

 

 

6.中断後の新契約で、中断前の等級を引き継げる人

上記の通り、中断証明書を使用して新たに自動車保険に加入する場合、中断した旧契約の記名被保険者と車両所有者が、新契約と同一であることという条件があります。しかし、記名被保険者や車両所有者の配偶者、同居の親族などは、同一人とみなされます。

つまり、旧契約と新契約で記名被保険者と車両所有者が同じ人でなくても等級が引き継げる場合があります。例えば、夫の中断した等級を妻が引き継ぐこともできます。また、親が中断した等級を同居の子供が引き継ぐこともできるわけです。

中断前後の等級引継可否例

中断の前後で等級が引き継げる例
中断前後でノンフリート等級の引継が可能な例
中断の前後で等級が引き継げない例
中断前後でノンフリート等級の引継が不可の例


 

 

 

7.中断証明書発行の費用

中断証明書の発行手続きには、一切費用や料金はかかりません。


 

 

 

まとめ

中断証明書は保険会社に発行を依頼しないと発行されません。代理店型の自動車保険に加入している場合には、解約時に代理店から中断の案内や説明があると思います。しかし、ダイレクト型自動車保険の場合には、契約者ご自身が中断証明書の発行を忘れないように注意する必要があります。

中断証明書の発行手続きには費用や料金は必要ありませんので、自動車保険解約後にまた自動車に乗る可能性が少しでもあるのであれば、中断証明書を発行されることをおすすめします。また、中断した等級は同居の子供などにも引き継げることもお忘れなく。

なお、今回の内容は、中断制度の一般的な内容についてご紹介しています。詳細については、保険会社ごとに異なる場合がありますので、ご契約の保険会社や代理店にお問い合わせください。


 

No.308

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2017年10月2日 | カテゴリー : 自動車保険 | 投稿者 : 保険FP