火災保険の保険料を払い過ぎていませんか?(超過保険)

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先日、1,000万円の建物に2,000万円の火災保険契約をした場合、どのような補償になるのかとの質問を受けました。

全焼した場合、2,000万円の保険金を受け取れるのでしょうか?全焼して保険金2,000万円を受け取ることになると、1,000万円ほど儲かることになります。

保険金を受け取ることによって利益が出るような火災保険契約が可能なのでしょうか?


1.超過保険とは?

多くの方が、前述の契約で建物が全焼した場合、2,000万円の保険金が支払われると思われているようです。

しかし、これは『超過保険』といわれる契約となり、建物の価値である保険価額(今回の場合は1,000万円)を越える部分については、保険金は支払われません。

つまり、2,000万円分の保険料を支払っているにも関わらず、保険金の支払いについては、保険価額の1,000万円が限度となるので、1,000万円を越える部分の保険料は支払過ぎとなり、無駄に保険料を支払っていることになります。

超過保険 ⇒ 保険価額 < 保険金額

なぜ、保険料を支払っているのに超過部分の保険金は支払われないのでしょうか?それは、損害保険には『利得禁止の原則』があるからです。

保険金の支払いで利益を出すことが許されれば、意図的に事故を起こすことを誘発することにもなります。よって、保険金の支払いによって利益を得る事を防ぐという考え方があります。
 

 

 

2.超過部分の保険料はどうなる?

では、超過部分の保険料はどうなるのでしょうか?

以前は保険契約に適用される契約法は、明治32年(1899年)に制定された商法の第2編(商行為)第10章(保険)の規定でしたが、2010年4月1日からこれに代わる保険法が施行されました。

これまでの商法での解釈では超過部分に関しては無効とされていましたが、保険法では保険契約者は超過部分を取り消すことができるようになり、その際保険開始日に遡って超過部分の保険料が返還されることになります。
*ただし、保険契約者および被保険者に善意かつ重大な過失がない場合に限ります。

多くの保険会社では、火災保険に関して保険法施行日である2010年4月1日に先行して2010年1月1日から保険法に対応していますので、是非一度ご自分の火災保険契約をご確認ください。

 

 

 

3.全部保険とは?

保険価額を超えて火災保険に加入している超過保険に対して、保険価額ちょうどで加入している保険を全部保険といいます。

全部保険 ⇒ 保険価額 = 保険金額

例)保険価額2,000万円の建物に対して保険金額2,000万円の火災保険に加入

保険価額には、「新価」と「時価」という2通りの考え方があり、現在の火災保険の主流は、新価実損払い方式です。全部保険の場合は、実際の損害額が保険金として支払われる適正な契約です。

「新価」とは?
新価とは、保険の対象(建物や家財)と同一の構造、質、用途、規模、型、能力のものを再築または再取得するのに必要な金額をいいます。

「時価」とは?
時価とは、保険の対象(建物や家財)の新価から使用による消耗および経過年数などに応じた減価額を控除した金額をいいます。

 

 

 

4.一部保険とは?

保険価額を超えて火災保険に加入している超過保険とは逆に保険価額に対して保険金額が足りない場合を一部保険といいます。

一部保険 ⇒ 保険価額 > 保険金額

例)保険価額2,000万円の建物に保険金額1,000万円の火災保険に加入

一部保険の悪い点は、万が一の場合に損害額どおりに保険金が支払われない場合があることです。保険金支払時に比例填補払い(比例払い)になり、下記のように保険金が減額される場合があります。

 

例)保険価額2,000万円の建物に対して保険金額1,000万円の火災保険に加入していて、500万円の損害が発生した場合、保険価額に対して50%分しか保険金額が設定されていないため、保険金も50%減額され、250万円が保険金として支払われる。

一部保険の場合には、実際の損害額に対して、支払われる保険金が不足することになります。超過保険と同様に一部保険も問題のある火災保険契約です。
 

 

 

まとめ

以前までは火災保険は時価契約が当たり前で、時価を上回る超過保険も多かったと思います。しかし、現在は契約時に建物の評価が必要になり、新価契約が当たり前になったので、超過保険はかなり是正されていると思われます。

また、評価済保険や保険価額に一定の幅を持たせるなど、現在の火災保険商品は超過保険や一部保険による比例払いを解消するような工夫がされています

しかし、長期契約の古い火災保険の場合には、超過保険や一部保険になっている可能性もあるので、注意が必要です。

最終更新日:2017年10月23日
No.63

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