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火災保険

デスクトップ型は補償対象、ノートパソコンは補償対象外!?

「子供が誤ってノートパソンコンを壊してしまったが、家財の火災保険で補償されるのか?」とのご質問を頂きました。

壊れたノートパソンコンの修理代や買換えの費用は家財の火災保険で補償されるのでしょうか?実は、広い火災保険の補償内容についてご紹介します。

1.意外に広い火災保険の補償範囲

火災保険は火災のみの補償と思われている方がいますが、最近の商品は思っている以上に補償範囲が広くなっています。

最近の火災保険は、補償内容が選択できるようになっていますが、全ての補償を選択すると下記のような補償があります。

●火災、落雷、破裂、爆発
●風災、雹(ひょう)災、雪災
●水災
●建物外部からの物体の落下・飛来・衝突等
●漏水などによる水濡れ
●騒擾・集団行動等に伴う暴力行為
●盗難
●破損・汚損等

火災保険の補償内容等の詳細については、下記記事をご参照ください。
火災保険を契約する際に抑えておくべき8つのポイント

ここで注意して頂きたいポイントがあります。火災保険の対象は「建物」と「家財」の2つがあります。火災保険の対象は、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」の3パターンの契約方法があります。

当然のことですが、家財の損害が補償されるためには、家財を補償の対象とする火災保険に加入している必要があります。建物のみが補償対象である火災保険では、家財の損害は補償の対象にはなりません。

冒頭の質問については、ノートパソコンは家財なので、家財を補償の対象とする火災保険に加入している必要があります。

 

 

 

2.破損・汚損リスク

突発的な偶然の事故による損害が火災保険で補償されることをご存知でしょうか?(商品によっては補償されない場合もあります。)

保険会社によって「破損・汚損リスク」や「不測かつ突発的な事故」等、名称が異なりますが、偶然な事故による損害が補償されます。

例えば、建物の損害であれば、「子供が暴れて壁に穴をあけてしまった」や家財の損害であれば、「テレビを運ぶ際に落として壊してしまった」等の損害が補償されます。

冒頭の質問の場合は、家財の破損・汚損リスクの事故に該当します。

尚、「破損・汚損リスク」には、自己負担額が5千円~1万円程度ありますので、ご注意ください。

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3.補償対象外となる場合

破損・汚損リスクは、一見、どんな場合でも補償対象になるように思えますが、実は補償対象にならない家財があります。

破損・汚損リスクの補償対象外となる主な家財は下記の通りです(保険会社によって異なる場合があります)。
・携帯電話(スマホ)
・コンタクトレンズ、メガネ
・自転車
・125cc以下の原付(原動機付自転車) 等

眼鏡・コンタクトレンズ、携帯電話(スマホ)等は壊れやすいため、「破損・汚損リスク」の補償対象外となっている点にご注意ください。

問題のノートパソコンですが、保険会社によって対応が分かれます。損保ジャパン日本興亜や東京海上日動などは、ノートパソコンは破損・汚損リスクについて補償対象外です。つまり、冒頭の質問に対しての回答は、「補償されない」です。

一方、あいおいニッセイ同和や三井住友海上は、ノートパソコンの破損・汚損リスクを補償対象としています。よって、冒頭の質問に対しての回答は、「補償される」です。

 

 

 

4.持ち出し家財特約でも補償対象外!?

家財を補償の対象とする火災保険に特約としてセットできる「持ち出し家財特約」でも眼鏡・コンタクトレンズや携帯電話(スマホ)の損害は補償対象外になっています。

ノートパソコンについては、損保ジャパン日本興亜や東京海上日動だけでなく、あいおいニッセイ同和や三井住友海上についても補償対象外としています。

「持ち出し家財特約」とは、住んでいる住宅を外出中に携行している日用品に偶然な事故による損害が発生した場合に補償される特約です。住んでいる場所から持ち出された携行品(日用品)という条件があります。

「持ち出し家財特約」の詳細については、下記記事をご参照ください。
火災保険に携行品特約を付けるメリットは?

 

 

 

5.火災や水災等の場合は補償対象

尚、損保ジャパン日本興亜や東京海上日動でノートパソコンの損害が補償対象外となるのは、あくまでも突発的な偶然の事故による損害(破損・汚損)の場合です。火災や水災等でノートパソコンが壊れてしまった場合等は、家財が対象の火災保険に加入していれば補償されます。

但し、家財を保険の対象とする火災保険の場合でも以下のものは補償の対象にならないので、ご注意ください。

・自動車、バイク(総排気量125cc以下の原動機付自転車を除く)や船舶等
・クレジットカードや稿本、設計書、帳簿等
・動物、植物等の生物 等

火災・爆発等による自動車の損害については、自動車保険(車両保険)で車両保険金額を限度に補償されます。但し、エコノミー型の車両保険の場合、火災・爆発の損害が補償されない「車対車」タイプの契約もありますので、ご注意ください。

車両保険の種類や補償範囲の詳細については、下記記事をご参照ください。
車両保険の補償を絞って保険料節約!?(車両保険の種類)

 

 

 

まとめ

冒頭の質問の場合、壊れた家財がノートパソコンなので、損保ジャパン日本興亜など保険会社によっては補償の対象となりません。但し、壊れた家財がデスクトップ型のパソコンだと補償の対象になります。

また、補償内容が選択できる火災保険については、「破損・汚損リスク」の補償を外す事も可能です。保険料節約のために補償内容を絞っている場合等には、そもそも破損・汚損の事故が補償されない場合もありますので、ご注意ください。

 
最終更新日:2017年7月15日
No.231